クロモジ（黒文字）はクスノキ科に属する落葉広葉の低木で、日本全国に自生しています。その名前の由来は、緑色の枝に見られる黒い斑点からきており、高級爪楊枝の素材や魔除けとして利用されてきました。現在では、クロモジ（黒文字）その数自体が減少しており、貴重性が高まっています。

科名：クスノキ科

学名：Lindera umbellata

抽出部位：葉、枝

抽出方法：水蒸気蒸留法

主要原産地：日本（伊豆を中心に、本州、九州、四国）​​

主な芳香成分：モノテルペンアルコール類（リナロール、ゲラニオール）、ケトン類（カルボン）、モノテルペン炭化水素類（リモネン）

ハーブウォーター

クロモジハーブウォーターは、抗菌作用があり、人とペットの両方に安心して使用できることが魅力です。

アトピー体質の子供や大人の肌が大きく改善した例や、水虫や手の皮のめくれがツルツルになった例、さらにはペットの皮膚病改善やブラッシングによるリラックス効果など、多くの人々から好評を得ています。

これらの効果は、クロモジハーブウォーターの抗菌作用、抗炎症、リラックス効果によるものです。

高級爪楊枝

クロモジは、その抗菌性により高級爪楊枝として和菓子と共に提供されることがあります。この伝統は、クロモジの香りと抗菌作用が和菓子を食べる際の口腔衛生を保つために役立つと考えられているためです。

クロモジ茶は、クロモジの枝や葉から作られ、その独特の甘い香りが特徴です。クロモジに含まれる成分には、抗菌や消炎作用があり、胃腸の不調や皮膚トラブルを緩和する効果があるとされています。

また、クロモジ茶を飲むことで、急性胃腸炎や下痢などに効果があるとも言われており、リラックス効果や胃腸を整える効果が期待できます。独特の甘い香りが楽しめる健康茶として人気です。

精油とはまた違った紅茶の甘い香りが印象的です。枝や根を煎じたものは「鳥樟脳」あるいは「釣楠」という生薬となり、薬用酒などに使われています。

クロモジ（黒文字）の名前の由来

黒文字の由来は緑色の枝に黒い斑点があり、それが肇で 黒い文字を書いたように見えることから、この名前が付けられました。

クロモジの主要成分と香り

クロモジには、リナロール、シネオール、リモネン、ゲラニオールなどの成分が含まれており、柑橘系やハーブ、花の香りが融合した独特の香りを持っています。これらの成分は、リラックス効果やスッキリとした感覚を提供し、香水としても優れた相性を持ちます。

＜精油主成分内容＞

リナロール30％、シネオール8％、
リモネン8％、ゲラニオール10％

樹皮や葉にはテルペネオールやリモネンという芳香成分が含まれ、柑橘系に似た特有の香りがします。

リモネンは柑橘系の香りに近く、リナロールはラベンダーに多く含まれているため、リラックス効果があります。

シネオールはハッカやユーカリの成分に多く含まれるため、スッキリとした香りです。ゲラニオールはゼラニウムのような甘い香り。

上記からクロモジは柑橘系、ハーブ系、花系の成分が融合し、枝から取れるため、ベース（ラストノート）としての特徴が発揮できら保留剤としての役割を果たせる万能香料になります。

そのため香水としての相性はかなりいいものとされています。

クロモジの健康と美容への効果

クロモジ（黒文字）の精油は、心への効能として不安感や孤独感を和らげ、ストレスや怒り、興奮を抑える鎮静作用があります。これにより、心地よい眠りにつくことができると言われています。身体への効能としては、肩こりや腰痛、神経痛など冷えが原因の不調改善に役立ちます。

また、抗ウイルス作用により風邪やインフルエンザの予防にも効果的です。お肌への効果としては、抗炎症作用や保湿作用により、ニキビや湿疹、虫刺されなどの緩和に役立ちます​​。

クロモジ精油の使用方法としては、入浴、芳香浴、トリートメント、スキンケア、手作りコスメなどがおすすめです​​。香りの相性が良い精油としては、フローラル系のラベンダーやベルガモット、レモン、オリエンタル系のサンダルウッド、樹木系のティートリー、ジュニパーベリーなどが挙げられます​​​​。

注意事項としては、妊娠中や授乳中の方は使用を控えることが推奨されています。また、精油の購入時には、品質に信頼のおけるブランドから購入し、学名や抽出方法、原産国などの精油データを確認することが大切です​​​​。

クロモジはその多様な用途と健康、美容への効果から、日本の伝統的な植物として再評価されています。その独特な香りと成分は、日常生活においてもさまざまな形で利用することができるため、これからもその価値が高まることでしょう。