化粧品に使用される防腐剤にはいくつかの種類があり、それぞれ特性があります。

• パラベン：最も一般的な防腐剤で、80年以上にわたり使用されています。人体に対する毒性が低く、微生物やカビに対して効果的です。パラベンは、天然成分にも含まれており、ニンジンやトマトにも微量含まれています。

• 安息香酸：香料として使用されることが多く、微生物の増殖を抑える効果があります。

• デヒドロ酢酸ナトリウム：カビや酵母の成長を抑える効果があり、防腐性が高い成分です。

• ヒノキチオール：ヒノキから採取される成分で、抗菌作用があります。

• フェノキシエタノール：グラム陰性菌（大腸菌やサルモネラ菌）に有効な防腐剤です。

「防腐剤が入っていると肌に悪い」という認識が広まっていますが、実際には防腐剤は化粧品の安全性を確保するために必要な成分です。

もちろん、過去に防腐剤で肌トラブルを経験したことがある人は、使用を控えるべきですが、多くの人にとって防腐剤はむしろ肌を守る役割を果たしています。

防腐剤が入っていない製品は、開封後すぐに雑菌が繁殖し、肌トラブルの原因になる可能性があります。特に水分を多く含む化粧品は、保存が難しくなるため、適切な量の防腐剤が必要です。

オーガニック化粧品では「防腐剤不使用」を謳う商品も増えていますが、全ての製品が防腐剤なしで安全に使えるわけではありません。

水分を含む製品には、適切な防腐剤が配合されていることが安全性を保つために重要です。「防腐剤不使用」を謳いながらも、実際には「香料」として防腐効果のある成分が含まれているケースもあるため、ラベルをよく確認する必要があります​。