シルクのデメリットとは?製造者が正直に解説する天然素材の弱点と対策
この記事でわかること
- シルクの5つのデメリットと、その具体的な対策
- なぜデメリットがあってもシルクが選ばれ続けるのか
- 国産シルクと海外産シルクでデメリットの現れ方が違う理由
シルクを扱う立場から、正直に話します
「シルクは肌にやさしい」「高級素材」——そうした言葉ばかりが並んでいる情報は多くあります。
しかし私たちは、養蚕から製糸・撚糸・製品化まで、シルクのものづくりに直接関わっている立場です。
だからこそ、素材の弱点も正直にお伝えできます。
ただシルクは洗えないわけではないので、ご安心ください。
シルクのデメリットを知ることは、シルクを正しく扱い、長く愛用するための第一歩です。

シルクとはどんな素材か
シルクは蚕の繭から作られる天然のタンパク質繊維です。主成分である「フィブロイン」は人の肌に近いアミノ酸構造を持ち、吸湿性・放湿性・保温性に優れています。
ただし、こうした優れた特性は「天然タンパク質繊維である」という性質から生まれています。そしてそれは同時に、いくつかのデメリットの原因でもあります。

デメリット① 水と摩擦に弱い
シルクは水を含むと繊維が膨潤し、強度が一時的に低下します。その状態で摩擦が加わると、繊維が傷んだり縮んだりする原因になります。
具体的に避けるべきこと:
- 洗濯機での通常洗い(強い攪拌)
- 乾燥機の使用
- 濡れた状態でのゴシゴシ洗い
対策:
- 手洗い(おしゃれ着洗い洗剤 + ぬるま湯)
- 洗濯機を使う場合は「シルク・手洗いコース」+洗濯ネット
- 脱水は短時間。タオルで押さえて水分を取り、形を整えて陰干し
ただし近年は加工技術の進歩により、洗濯機で洗えるシルク製品も増えています。SHELOOKのアイテムでも、日常的な手入れのしやすさを設計に組み込んでいます。

デメリット② 紫外線に弱い
シルクはタンパク質繊維のため、紫外線(特にUV-B)を吸収して繊維が劣化しやすい性質を持っています。長時間の直射日光にさらすと、色あせや繊維の強度低下が起きます。
対策:
- 洗濯後は必ず陰干し
- 収納時は直射日光を避ける
- 長期保管の場合は、光を通さない保管袋を使用
ひとつ補足すると: シルクの「紫外線を吸収する」という性質は、衣類として着用している間は肌を紫外線から守る効果にもなります。弱点と強みが裏表になっている特性です。
デメリット③ 価格が高い
シルク製品が高価なのは、ブランド価値だけが理由ではありません。製造工程に理由があります。
シルクは以下のすべての工程を経て製品になります:
桑栽培 → 養蚕 → 繭の乾燥・選別 → 製糸 → 撚糸 → 精練 → 製品化
各工程に専門の技術と設備が必要で、特に国産シルクの場合、担い手が減少しているため小ロット生産のコストが高くなりやすい構造です。
私たちISILKは、この工程を一元化することでコストと品質のバランスを改善しようとしていますが、それでも天然素材として相応の価格帯になります。「高い」のではなく、手間と技術が正直に価格に反映されていると理解していただけると幸いです。

デメリット④ 虫食いの被害を受けやすい
シルクは天然のタンパク質繊維のため、衣類害虫(イガ・カツオブシムシなど)の食害を受けやすい素材です。ウールと並んで、虫食い被害が起きやすいカテゴリーに入ります。
対策:
- 長期保管前は必ず洗濯(汗・皮脂を取り除く)
- 防虫剤を使用(シルクはナフタリン系との相性に注意。エムペントリン系がおすすめ)
- 通気性のある収納を選ぶ
- 定期的に取り出して風を通す
デメリット⑤ 取り扱いに手間がかかる
上記のデメリットをまとめると、シルクはポリエステルのように「洗ってそのまま乾燥機」という扱い方ができない素材です。
| 素材 | 洗濯 | 乾燥機 | 手間 |
|---|---|---|---|
| ポリエステル | 洗濯機OK | OK | 少ない |
| コットン | 洗濯機OK | △ | 少ない |
| シルク | 手洗い推奨 | NG | 多め |
| ウール | 手洗い推奨 | NG | 多め |
ただし、この「手間」は天然繊維全般の特性でもあります。ウール・リネンも同様です。天然素材を選ぶということは、素材との適切な関係を築くことでもあります。

それでもシルクが選ばれる理由
デメリットを正直に書いてきましたが、それでもシルクは何千年も愛され続けてきた素材です。
理由はシンプルで、他の素材では代替できない機能と感触があるからです。
- 吸湿・放湿性が高く、蒸れない(体温を安定させる)
- 肌に近いタンパク質構造で刺激が少ない
- 静電気が起きにくい
- 軽くて柔らかい
特に「肌に直接触れるアイテム」——レッグウォーマー・腹巻き・靴下・パジャマ——では、この差が体感として現れやすいです。
国産シルクを選ぶ意味
シルクのデメリットのうち「価格の高さ」は、産地によっても変わります。ただし安価な輸入品は、品質の透明性が低いケースもあります。
国産シルクは生産量が限られているぶん、素材の追跡可能性(どこで育てられたか)が高く、品質の安定性にも繋がります。
私たちSHELOOKでは、秩父の養蚕農家が育てた国産シルクを使った温活アイテムを展開しています。
まとめ
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| 水・摩擦に弱い | 手洗い・陰干し・洗濯ネット使用 |
| 紫外線に弱い | 陰干し・遮光保管 |
| 価格が高い | 工程の多さと職人技術の対価として理解する |
| 虫食いを受けやすい | 防虫剤・通気性のある保管 |
| 取り扱いに手間 | 天然素材として適切な手入れを習慣化 |
シルクは「完璧な素材」ではありません。扱いに気を使う必要があります。しかしその分、肌への優しさや調湿性という、他素材では得にくい価値があります。
デメリットを知った上で選ぶシルクは、長く、深く、暮らしに寄り添ってくれるはずです。
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