株式会社ISILK

秩父カボスとは?知られざる香りの果実と、BLACKLETTERSが香水を作るまでの話

 

「カボスといえば大分」——多くの人がそう思っています。

 

でも秩父にも、カボスが育っています。武甲山の伏流水と、秩父盆地特有の寒暖差が生む「秩父カボス」は、大分産とは異なる香りの輪郭を持つ果実です。

 

私たちBLACKLETTERSは、この秩父カボスの果皮から香り成分を抽出し、香水に仕立てることにしました。クロモジに続く、秩父の植物を核にした新しいフレグランスです。

 

この記事では、秩父カボスの歴史・特徴・香りの成分、そしてBLACKLETTERSが香水を作るに至った背景をお伝えします。

 

 

カボスとは——レモンでもユズでもない、日本固有の柑橘

カボス(学名:Citrus sphaerocarpa)はミカン科の柑橘で、原産はヒマラヤ地方とされ、江戸時代に中国から日本に伝わりました。当時は薬用植物として全国で栽培され、乾燥した皮を燻して蚊除けに使ったことから「カブス」→「かぼす」という名が定着したという説があります。

 

現在の主産地は大分県(国内シェア約95%)ですが、香りと酸味のバランスはレモン・ユズ・スダチのどれとも異なる独自のキャラクターを持ちます。

 

比較 カボス ユズ スダチ レモン
酸味 まろやか 強い 鋭い 強い
香り フローラル×グリーン 華やか シャープ フレッシュ
果汁量 多い 少ない 少ない 多い
9〜12月 10〜12月 8〜10月 通年

 

秩父でカボスが育つ理由

秩父市吉田・小鹿野町では2000年代初頭からカボスの栽培が始まりました。試験的な取り組みとしてスタートしたものの、秩父の気候条件がカボス栽培に予想以上に適していることがわかってきました。

 

秩父がカボスに向いている理由は主に2つです。昼夜の寒暖差。秩父盆地は夏でも夜間に気温が下がります。この寒暖差がカボスの香り成分(テルペン類)の凝縮を促し、香りの強い果実を育てます。

 

武甲山の伏流水。石灰岩を通り抜けたミネラル豊富な軟水が、果実の風味に影響を与えます。同じ水が秩父錦・武甲酒造の日本酒を育てているのと同じ水脈です。

 

平成28年には38人の生産者が「JAちちぶカボス部会」を発足。現在は地元スーパーや直売所での流通も増え、秩父の食文化に定着しつつあります。

 

 

黄金のカボス——秩父だけの季節限定品

秩父カボスには2つの顔があります。

緑のカボス(9〜10月):青々とした果皮が特徴。酸味が強くシャープな香り。焼き魚・焼きしいたけ・焼酎との相性が抜群です。

 

黄金のカボス(11〜12月):熟して黄色くなったもの。酸味がまろやかになり、甘みと芳香が前に出ます。「黄金のカボス」として地域の町おこしにも活用されています。

 

この「熟成による香りの変化」がBLACKLETTERSとしての着目点でした。緑と黄金では香り成分の構成が変わる。どの熟度の果皮を使うかで、全く異なる香水ができる。

 

 

廃棄される果皮に着目した理由

カボスは果汁が主役です。加工・流通の過程で果皮は大量に廃棄されます。

廃棄される果皮には、果汁以上に豊富な香り成分(精油成分)が含まれています。特にリモネン・リナロール・ゲラニオールなどのテルペン類は、香水の原料として十分な質と量を持ちます。

 

「食べ終わったら捨てる」ではなく「香りとして生き続ける」——これはISILKがクロモジで実践してきた発想の延長です。クロモジは里山管理の副産物として採取され、BLACKLETTERSの香水になります。カボスの果皮も、同じ思想から生まれた素材です。

 

このような精油は、アロマオイル・ルームスプレー・バスソルト・石鹸などさまざまな形で商品化が可能です。

 

 

 

BLACKLETTERSの秩父カボス香水——誕生の背景

クロモジ香水でISILKが実証したのは「秩父の植物を香水に仕立てることができる」という事実でした。次に選んだのが、秩父カボスです。

カボスはクロモジと対称的な香りを持ちます。

  クロモジ 秩父カボス
香りの系統 ウッディ×スパイシー×かすかな柑橘 柑橘×グリーン×フローラル
印象 静けさ・瞑想・夜 躍動感・清潔感・朝〜昼
季節感 通年・特に秋冬 夏〜秋

 

クロモジが「纏う静けさ」だとすれば、カボスは「纏う明るさ」です。BLACKLETTERSとして表現できる感情の幅が広がります。

 

香水の詳細(香りの構成・ノート・発売日・価格)は発売に合わせて公開します。

👉 発売情報はBLACKLETTERS公式サイトとSNSで先行公開します

 

カボス精油の成分

カボス果皮から抽出される精油の主要成分です。

成分 特徴
リモネン 柑橘系の明るいフレッシュ感
γ-テルピネン グリーンでハーバルな奥行き
β-ピネン 森林感のあるシャープな清涼感
リナロール 柔らかいフローラル。ローズウッドとも共通する成分

学名:Citrus sphaerocarpa/抽出部位:果皮/抽出方法:水蒸気蒸留法/原産地:秩父(埼玉)

 

秩父の恵みを「使い切る」という哲学

ISILKが秩父産素材にこだわる理由は、単なるローカルブランドの差別化ではありません。

 

クロモジの採取は里山の間伐管理と一致する。カボスの果皮活用は廃棄ゼロに向かう。どちらも「産地の資源を余すなく使う」という一貫した思想から来ています。

 

香水を買うことが、秩父の農家を支え、里山を守り、廃棄を減らすことにつながる——BLACKLETTERSが目指しているのはそういう循環です。

 

まとめ

秩父カボスは、大分産とは異なる気候・水・土壌が育てた、独自の香りを持つ柑橘です。その廃棄果皮から生まれるBLACKLETTERSの新作香水は、クロモジに続く「秩父の植物を纏う」体験の第二章です。

発売情報はBLACKLETTERS公式サイト・Instagramで先行公開します。フォローしてお待ちください。

👉 BLACKLETTERS公式サイト

 

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秩父に来たら、ぜひ立ち寄ってください。

秩父祭の歴史を伝える「秩父祭り会館」にて
BLACKLETTERSの香水を販売しています。

秩父の森から生まれた香り、
ぜひ現地で体験してみてください。

秩父祭り会館

〒368-0041 埼玉県秩父市番場町2-8

0494-23-1110

10時00分~17時00分 休館日:毎週火曜日

ACCESS 

  • 電車をご利用の場合

    西武鉄道ご利用の場合 池袋より西武秩父線利用 西武秩父駅下車 徒歩15分
    秩父鉄道ご利用の場合 熊谷駅から秩父鉄道 秩父駅下車 徒歩3分

    お車をご利用の場合

    関越自動車道ご利用の場合 関越自動車道 花園I.C.下車 国道140号で秩父方面へ
    日高・飯能方面よりお越しの場合 国道16号経由、国道299号で秩父方面へ
    甲府・山梨方面よりお越しの場合 中央自動車道 勝沼I.C.より国道20号~国道411号~国道140号経由で秩父方面へ

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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