日本と海外の香水瓶の違いとは?|デザイン・規格・文化のギャップを解説

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日本と海外の香水瓶、何が違うのか――。

 

実は、見た目だけでなく、製造方法・安全基準・文化的背景までもが異なることをご存知でしょうか?



香水を扱ううえで日々感じる、日本と海外の違いについて、香りづくりの現場からお伝えします。

 

 

 

なぜ日本には独自の香水文化がないのか?

そもそも、日本の香水市場は海外ブランドが9割以上を占めていると言われています。

その背景には、「香水=香害」といったイメージや、もともと“無香”が美徳とされる日本の価値観も影響しています。

 

そのため、シャネル、エルメス、ディオールといった海外のハイブランドが圧倒的に強く、日本発の香水ブランドが育ちにくい土壌がありました。

 

ただし、コロナ禍以降は「自宅で香りを楽しむ」という需要が高まり、インディーズ系の日本ブランドも少しずつ注目され始めています。

 

 
香水種類パフューム

 

日本の香水瓶は「安全・規格重視」

日本では、香水瓶の製造はほぼ2社がシェアを独占しています。そのため、オリジナルの型を一から作ろうとすると、数百万円単位の金型コストが必要となり、資生堂のような大手でなければ独自の瓶を作るのは難しいのが現実です。

 

さらに、日本独自の厳しい規格が存在します。

  • 瓶の角が尖っていてはいけない

  • 容器の強度、液漏れテストの条件が厳しい

  • 香水瓶といえども、化粧品容器基準に準拠する必要あり

 

その結果、日本の香水瓶は「安全性は高いがデザインが画一的」という傾向にあります。オリジナリティを出すには、加色(瓶に色をつける)くらいしか手段がありません。

 

またその加色技術も、長年大きな進化がないまま現在に至っています。

 

Perfume bottles on pink background
 
 

ヨーロッパの香水瓶は「自由と美」が優先

一方、ヨーロッパでは香水瓶のデザインに対する自由度が高く、ユニークな形状・色・装飾が施された瓶が数多く存在します。

 

✔ 見た目の美しさ

✔ ブランドの世界観に合わせた形状

✔ アートピースのようなガラスデザイン

 

この柔軟性は、日本のような厳格な基準がないからこそ可能になります。ただし、デザインが優れている分、製造ロスや輸送トラブルも多いのが現実です。

 

ポンプ構造の違いも大きい

▶ 日本:スクリュー式(開閉可能)

日本では主にアトマイザーのようなスクリュー式ポンプが採用されており、ポンプの付け替えや香水の詰め替えが可能です。

壊れても自分で直せるのは大きなメリットです。

 

▶ 海外:カシメ式(密閉構造)

一方、ヨーロッパの香水瓶ではカーラーと呼ばれる金属キャップをカシメ機で圧着して密閉します。

これは、アパレルで言うドットボタンのような仕組みで、

  • 空気が入りにくく酸化を防げる

  • 異物混入を防ぎ、保存性が高まる

 

という利点がありますが、一度でも打ち損ねればやり直しがきかないため、ロス率は1%を超えることも。

香水瓶の製造は、実は非常に繊細な職人技が求められる工程でもあります。

 

それでも、香水づくりの魅力とは

私たちも、過去にオリジナルの化粧品や香水瓶の制作を検討したことがありますが、

日本国内ではコストや制約が多く、最終的に海外の瓶を選ばざるを得ない場面が多々ありました。

 

一方で、香水の世界は香料、瓶、保存、文化――どれをとっても奥深く、独特な美の世界が広がっています。手間は多くても、その分だけ愛着も深まっていくのです。

 

香りの文化を、日本から再定義するために|BLACKLETTERS

私たちが展開するフレグランスブランド「BLACKLETTERS(ブラックレターズ)」は、秩父に自生する黒文字(クロモジ)という天然素材から香りを抽出し、日本発の美しい香りと世界観を丁寧にボトルに閉じ込めています。

 

  • ヨーロッパの香水瓶をベースに採用しつつ、自然な加色で秩父の風景を表現

  • 日本の自然、文化、植物を「香り」という感性で伝えるボトルデザイン

  • 地域と共生しながら持続可能な香りづくりを実践

 

香水瓶はただの容器ではなく、香りの記憶を支える“器”

その器に、日本の自然や暮らしを映し出す挑戦が、私たちのBLACKLETTERSには込められています。

👉 BLACKLETTERS公式サイトを見る

 

まとめ|瓶の違いに、香水文化の違いが見える

香水瓶一つをとっても、そこには国ごとの価値観、文化、技術の違いが反映されています。

  • 日本:安全・品質・均一性

  • 海外:デザイン・自由・ブランド表現

 

どちらが良い悪いではなく、どんな香りを、どんな物語で届けたいかによって、瓶もまた選ばれるべきだと感じます。

日本発の香水文化を育てるために。

そして、香りを通じて“自分らしさ”をまとうために。

そんな想いを持ちながら、これからも香水瓶という“小さな芸術品”と向き合っていきたいと思います。

 

山々に囲まれた自然の中から生まれた『 恵 / めぐみ』
秩父で採れる希少なクロモジの精油をベースにしたフレグランスブランド
Blackletters

BL クロモジ パフューム 8ml

PURFUME

5280(税込)

詳細はこちら

商品紹介

天然のクロモジをベースにした香水を展開。

クロモジを一番感じられる爽やかでいて包み込むような自然の香りが特徴的。

ユニセックスでご使用いただけます。

 

無色透明でありながらも存在感のあるB L A C K L E T T E R Sの代表作

自分の手で未来を創造し無限大の可能性を高めていく

変化や成長、今までの自分と未来の自分との融合

パワフルに自分自身と向き合う時に重ね付けのメインベースにもおすすめ

山々に囲まれた自然の中から生まれた『 恵 / めぐみ』
秩父で採れる希少なクロモジの精油をベースにしたフレグランスブランド
Blackletters

BL ウラハ パフューム 8ml

PURFUME

5280(税込)

詳細はこちら

商品紹介

天然のクロモジをベースにした香水を展開。

グリーンティーやシトラスの香り。森から香るような爽やかな香りが特徴的ユニセックスでご使用いただけます。

 

草の葉や木の葉の裏側のような強く美しい生命力を感じる渋くくすんだ薄緑色

それは本来の自然と共に生きるという根本であり気がつくといつもそこにある安心感

とノスタルジックな記憶を思い起こす香り穏やかでリラックスモードの時に 

山々に囲まれた自然の中から生まれた『 恵 / めぐみ』
秩父で採れる希少なクロモジの精油をベースにしたフレグランスブランド
Blackletters

BL ソライロ パフューム 8ml

PURFUME

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天然のクロモジをベースにした香水を展開。

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いつかの晴れた日の空を想う刻一刻と移り変わる瞬間を束ねて重ねる空の色

文学作品でも登場する空色は自分の心に穏やかで誠実な精神性を育んでいく

集中力を高めたい一日や思考をクリアにしたい時に

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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