自分だけの香りを手のひらでつくる|初心者のための手作りお香ガイド
お香にはどんな種類がある?練香・線香・匂い袋の違い
香りを、自分でつくってみたくなったあなたへ
「香りが好き。でも、香水はちょっと強い気がする」
「自然な香りに癒されたい」
「自分の手で、香りをデザインしてみたい」
そんな方にこそおすすめしたいのが、お香の手作りです。火を灯すとふんわりと立ちのぼる香り。自然素材を使いながら、自分の感性に合う香りを“調香”していくような体験は、日々の生活にそっと豊かさを添えてくれます。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、お香の基本原料や作り方、香りの調和の考え方までを紹介します。そして最後には、BLACKLETTERSが提案するもう一歩先の香り体験——紐お香という選択肢にも触れていきます。
お香に使われる香りの原料一覧
お香の香りは、自然素材の重なりから生まれます。以下はよく使われる代表的な素材です。
🔸 深み・余韻を生む香木・樹脂
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白檀(サンダルウッド)
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沈香・伽羅(アガーウッド)
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龍脳(ボルネオール)、安息香、乳香、没薬
🔸 広がりやアクセントを加える植物素材
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クロモジ(黒文字)、ヒノキ、桂皮、丁子(クローブ)
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甘松(スパイクナード)、ラベンダー、ユズ皮、薄荷、バラ
🔸 粘結・燃焼調整の素材(香りは持たない)
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椨粉(タブ粉)…線香の形成用
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蜂蜜、梅肉、米粉、日本酒…練香や匂い袋用のつなぎ
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木炭粉…燃焼を安定させる補助材

精油は使えるの?|注意点とおすすめの使い方
手軽に香りを加えられる精油ですが、燃焼に弱く、高温で香りが壊れる・有害物質が出るリスクがあります。
お香の種類 | 精油の使用 | 補足 |
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練香 | ◎ | 火を使わず温めるので適している |
匂い袋 | ◎ | 揮発を活かす香りづけに最適 |
線香 | △(少量) | タブ粉などにしっかり混ぜて使う |
焼香 | × | 高温により変質・不快な匂いに |
初心者にはまず「練香」や「匂い袋」での使用がおすすめです。
実際に作ってみよう|初心者でもできる手作りお香の基本レシピ
練香(火を使わず温めて香るお香)
材料(基本配合)
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白檀粉:10g
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クロモジ粉:5g(または丁子、桂皮など)
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龍脳粉:少量(香りに透明感をプラス)
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米粉:少量(つなぎ)
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蜂蜜:少量(柔らかさを出す)
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日本酒:適量(練るために)
作り方
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粉末の原料をボウルに入れてよく混ぜる
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蜂蜜と日本酒を少しずつ加えながら、耳たぶくらいの柔らかさに練る
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丸めて、2週間ほど乾燥(冷暗所)
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香炉や炭プレートで温めて使用
線香(焚いて香らせるお香)
材料(基本配合)
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椨粉(タブ粉):30g
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白檀粉:20g
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クロモジや桂皮など:10g
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水(または日本酒):適量
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※精油を使う場合はごく少量(1滴以下)
作り方
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粉類をすべて混ぜる
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水を少しずつ加えて粘土状にする
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手で細長く成形するか、型を使って棒状にする
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クッキングシートの上で1週間〜10日乾燥(途中で裏返すと均等に)
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完全に乾いたら使用OK
香りをつくる時間は、自分を整える時間
お香は、香水のように「香りを着る」のではなく、空間に香りを“立ち上げる”ことで自分自身を整える道具でもあります。
自分で素材を選び、調合し、乾燥を待つ。
その一連の流れが、自然と自分の感性と向き合う時間になるはずです。
香りのある暮らしをもっと自由に。紐お香という選択肢
手作りお香を通じて、香りの奥深さや素材の楽しさに気づいた方へ。
次に試していただきたいのが、BLACKLETTERSの「紐お香」です。
通常のお香と違い、紐状のコットンに香料を染み込ませて仕立てたスタイリッシュなお香。
火をつければふわりと煙が立ちのぼり、使わないときはそのままインテリアとしても楽しめます。
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「煙っぽさが苦手…」という方にもおすすめな、やわらかい香り立ち
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持ち運びしやすく、旅先やギフトにも最適
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香りはすべてBLACKLETTERSの世界観に基づいてブレンドされたもの
自然素材の美しさを活かしつつ、香水のような感性を宿した“焚いて楽しむ香り”。
あなたの暮らしに、もうひとつの香りの選択肢を。
まとめ
手作りお香は、難しく思えるかもしれませんが、材料も作り方も意外とシンプル。
大切なのは、素材の香りを一つひとつ確かめながら、自分の感性で香りを重ねていくことです。
まずは、身近な白檀やクロモジの香りから。
そこに少しずつスパイスや樹脂を足していくことで、あなただけの「香りの調和」が生まれていきます。
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