「秩父シルク一元化構想」始動──就労支援との伴走で、国産生糸の”原料”を取り戻す
弊社株式会社ISILKが掲げてきた「秩父シルク一元化構想」。養蚕から製糸、撚糸、製品化までを地域内で完結させるというこの構想が、就労支援との協働という形で具体的に動き出しました。

なぜ今、就労支援なのか
国産生糸のシェアは1990年の33.8%から2024年には0.13%まで減少しています。養蚕農家を増やそうという取り組みは各地にありますが、実際には高いハードルがあります。
養蚕に不可欠な桑畑がないのです。

今年廃業した農家の桑畑もすでに掘り起こされ、使える状態にありません。新たに桑畑を作るには3年を要し、しかも養蚕はビジネスとして赤字になりやすい構造にあります。「農家を増やす」という正攻法だけでは、原料は増えません。
また現在桑の苗を購入できるところが知る限りは1件しかありません。
現在桑茶がブームのため養蚕ではなく、そちら側の需要が多くなっているのも現状です。

解決策としての伴走
その突破口の一つが、就労支援との伴走です。すでに国内には就労支援の枠組みで養蚕に取り組み、成果を上げている場所が複数あります。
ここが今後、繭という原料の数量を確保するうえで重要な存在になります。人工飼料による養蚕も一部で行われていますが、飼料コストの高さから製糸用途には向かず、現状は化粧品や医療分野での利用にとどまっています。
もう一つの壁、色
原料と並んで、私たちが向き合ってきたのが「色」です。本来のシルクを、本来の自然の色で染める。草木染めには堅牢度(色落ちや色あせのしにくさ)の課題があり、これまで市場に展開することが難しいものでした。
今回、就労支援に取り組む株式会社Rhythmさんが草木染めの技術確立を担い、原料から製品まで一気通貫で手がけることで、この課題を乗り越えられると確信しています。

私たちが目指すもの
時代とともにシルクの使い方は進化していますが、ISILKが目指すのはトラディショナルシルクです。
桑を食べて育った蚕がつくる繭から糸を紡ぐ、本来のかたち。そのうえで、国産生糸を着物以外の用途に置き換えて展開していきます。
原料から製品まで一貫してトレーサビリティを確保できることこそ、今の世界に、そして日本に求められていると考えています。
やるべきことはまだ山積みですが、一つひとつ着実に進めていきます。
今回の取り組みは、埼玉県産業振興公社「サーキュラーデザイントランスフォーメーション支援補助金」採択事業として、株式会社Rhythmとの共同事業で推進しています。
この構想は2026年7月17日、BCN+Rで報じられ、Yahoo!ニュース、livedoorニュース、LINEニュース、NewsPicksほか各メディアに掲載されました。
構想の詳細は、以下のブログ記事でもご紹介しています。
秩父から始まるシルク再生の物語——一元化プロジェクトの全貌
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