MSDSとSDSの違いとは?精油ビジネスに欠かせない”安全データ”の基本と注意点。

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香りビジネスを始めるなら避けて通れない「SDS(安全データシート)」

化粧品原料や精油などを製造・販売する際、必ず必要になるのが「SDS(Safety Data Sheet)」。

この記事では、旧称MSDSとの違いや、精油を扱う上で知っておきたい安全性・輸出の注意点などをわかりやすく解説します。

 

 

SDSとは?なぜ必要?

SDSとは「Safety Data Sheet(安全データシート)」の略で、製品に含まれる化学物質の危険性や取り扱い方法をまとめた文書です。

 

  • 化学物質を含む製品を他社に渡すときに必要

  • 2017年、旧来のMSDS(Material Safety Data Sheet)からSDSに名称統一(JIS Z 7253)

  • 国連が推進するGHS(世界調和分類と表示システム)に準拠

MSDSとSDSは内容は同じで、名前だけが変更されたという認識で問題ありません。

 

GHSとは

  • 化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:GHS)は2003年7月に国連勧告として採択されたものです。
  • GHSは化学品の危険有害性を世界的に統一された一定の基準に従って分類し、絵表示等を用いて分かりやすく表示し、その結果をラベルやSDS(Safety Data Sheet:安全データシート)に反映させ、災害防止及び人の健康や環境の保護に役立てようとするものです。

※上記厚生労働省HP参照

 

精油ビジネスにおけるSDSの重要性

精油や化粧品原料をOEM工場に提供する際、SDSの提出は必須となる場合がほとんどです。

  • 工場は”安全性が証明された原料”しか受け入れない

  • 特にヒ素や重金属が含まれていないかを示す成分分析表も求められる

  • SDSだけでなく、分析データのセット提出が必要

これが揃わないと、製造自体がストップすることも。モノづくりにおける大きな壁です。

 

 

SDSとはSafety Data Sheetの頭文字をとったもので、伝達対象となる化学物質を一定割合を超えて含む製品を他の事業者に譲渡又は提供する際に交付する、化学物質の危険有害性情報を記載した文書のことです。(従来はMSDSと呼称されておりましたが、2017年より国際整合の観点からJIS Z 7253に準拠する形でSDSに名称が変更されました。本来、粘着フィルムは成形品の為、公的にSDSが要求される製品ではありません。ただし、昨今の環境規制においては、お客様に対し、その取り扱う製品の有害性や危険性等の情報提供を行うことが必要不可欠となっております。弊社では、お客様のご要望に応じて、製品の安全な取り扱い・保管方法や製品がどのような化学物質で形成されているか等の情報を「SDS(安全データシート)」を通して、提供しております。

※上記は厚生労働省HPより抜粋

 

SDSが必要になる場面と不要な場面

 

使用シーン SDS必要性
原料をOEM工場に提供(精油・抽出液など) ✅ 必須
一般向けに製品を販売(雑貨用途) ❌ 不要(原則)
海外へ精油を輸出 ✅ 必須
 
 
Stack of soap bars with sponge and bottles on light background

 

精油の「引火点」が輸出を難しくする理由

精油は植物由来であっても可燃性を持つため、輸出には注意が必要です。

  • 引火点:火を近づけたときに燃え始める温度のこと

  • 引火点が低い=航空便や国際輸送で規制対象になる

 

🔥 主な精油の引火点

精油名 引火点
ヒノキ 38.5℃
レモン 47.5℃
クロモジ 62℃
スギ 87℃

 

特にヒノキやレモンなどは航空輸送時に制限がかかるケースが多く、輸出時にはSDSでの危険物表示が必須となります。

 

 

SDSを取得するには?どこに依頼する?

SDSの作成は、専門の第三者機関や分析会社に依頼するのが一般的です。

  • 国内には、化粧品成分や化学物質を専門に扱う分析ラボが複数存在

  • 作成費用の目安は1案件5万〜10万円前後(成分分析とセットの場合も)

  • 海外輸出を想定する場合は、英語版SDSやGHSラベルも必要になることがあります

なるべく早い段階から準備を進めておくのがポイントです。

 

化粧品原料として使用する際の注意点

SDSがあっても、すべての原料が化粧品に使用できるとは限りません。

  • 精油は食品グレード、アロマグレード、化粧品グレードで基準が異なる

  • 化粧品グレードで使用するには、ヒ素・鉛・重金属の分析証明書も必要

  • 国内で化粧品製造を行う場合は、薬機法や各種ガイドラインに準拠する必要があります

 

原料選定時に、あらかじめ用途確認と分析データの有無をチェックしましょう。

 

 

輸出時のラベリングと法規制にも注意

輸出用に精油やスプレー商品を扱う場合、SDSに加えて下記も考慮が必要です。

  • SDSの翻訳(英語版、または対象国の言語)

  • UN番号(国際輸送規格)GHS分類の明記

  • 商品パッケージの危険物ラベル・輸送用表示への対応

 

これらが不十分なままでは、通関トラブルや現地での販売拒否につながることもあります。

 

 

原料開発の壁:分析コストと制度の課題

日本国内では、天然原料を自社で開発しても、

  • SDSの作成機関が限られる

  • 成分分析に高額な費用がかかる

といった理由で、オリジナル原料の製品化が難しい現実があります。

この分析・書類対応のハードルが、スモールブランドの差別化を妨げる要因にもなっています。

 

 

 

弊社の取り組み:秩父の恵みを、安心して届けるために

ISILKでは、秩父の自然資源を活かした化粧品原料の開発・展開に取り組んでいます。

  • 例:クロモジ精油、酒粕、卵殻膜、シルク抽出液など

  • 原料ごとに必要なSDSや分析表を整備

今後も、製品だけでなく情報面の安全性と透明性の担保を両立することで、安心して使える国産素材を広めてまいります。

 

📦 ISILKの原料・製品について
▶ 一般のお客様向け:ナチュラルフレグランスを見る
▶ OEM・原料提供のご相談:お問い合わせフォーム

 

 

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まとめ:香りビジネスには、”信頼の裏付け”が不可欠

SDSは、目に見えない部分で製品の信頼性を支える重要なデータです。特に、精油や化粧品のように”肌に触れる”商材では、より一層の安全性が求められます。

 

これから香りビジネスを始める方、原料を開発・販売したい方は、”香りの魅力”だけでなく”裏付けとなるデータ”にも目を向けてみてください。

 

 

 

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この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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