秩父で織物の体験できる寺内織物をご紹介:伝統と現代が交差するクリエイティブな旅

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皆さんは一度は秩父という地名を聞いたことがあるかもしれません。

池袋駅から特急ラビューに乗れば、都心から1時間半で秩父に着くことができます。今では徐々に観光地として旅行客が来ることが増えてきましたが、秩父は埼玉県の3分の1を占め、その半分以上は山に囲まれた盆地になります。

 

冬は寒くて夏は暑い。昔は京都と肩を並べるほど栄えていた土地でもありました。

 

そんな秩父は秩父鉄道や西武鉄道の宣伝の甲斐もあり、4月には芝桜や秋には紅葉、冬には日本三代曳き祭り秩父夜祭が開催されます。神社も有名で、今では三峰神社、秩父神社、宝登山神社と3つの神社がパワースポットとしても知られてきました。そんな秩父の産業を担っていた絹織物。

 

秩父で体験できる織物は、ほぐし捺染や平織りコースターがあります。これらの歴史ある秩父の織物技術を学び、実際に手を動かすことができるユニークな機会です。これは、伝統と現代が交差するクリエイティブな体験であり、あらゆる年齢や技能レベルの人々に開かれています。

 

 

秩父織物の概要

秩父銘仙の歴史は、8世紀ごろに遡ります。この時代、知々夫彦命によって養蚕と機織の技術が住民に伝えられたのが始まりとされています。

 

秩父地域は山に囲まれた地形で、稲作に適していなかったため、養蚕業が盛んになりました。この地域で生産された規格外の繭を使用して「太織」と呼ばれる野良着が作られ、「鬼秩父」とも呼ばれ、大衆の普段着として広く使われました​​。

 

太織は後に「秩父銘仙」と名前を変え、新しい「ほぐし捺染」技術の開発によって大胆で華やかなデザインの織物へと進化しました。秩父銘仙は特に大正から昭和初期にかけて女性の間で手軽なおしゃれ着として全国的に人気を博し、秩父地域の基幹産業となりました。当時、市民の約70%が織物関連の仕事に関わっていたと言われています。

 

秩父銘仙は明治中期から昭和初期に最盛期を迎え、高品質なものへと改善・改良が重ねられました。しかし、昭和10年代には関連工場が320軒から6軒程度に減少しました。

 

現在、秩父銘仙は経済産業省によって2013年から伝統的工芸品として指定されています。この長い歴史を通じて、秩父銘仙は伝統を受け継ぎつつも時代に応じた変化を遂げてきました。

 

 

体験プログラムの種類

ちちぶ銘仙館では、訪問者は秩父織物の豊かな歴史を学びながら、染め物や織り物の実践的な体験を楽しむことができます。

 

この施設は、秩父地域の繊維産業の発展のために昭和初期に建てられた旧埼玉県秩父工業試験場を活用しており、現在は繊維産業の後継者育成にも取り組んでいます​​。

 

「ほぐし捺染」技法

秩父銘仙は、「ほぐし捺染」と呼ばれる独特の染め方で知られており、この技法で染められた秩父銘仙はリバーシブルの生地として人気があります。

 

この技法では、織る前の経糸(たていと)に型紙を当てて染めることで、裏表どちらも使える生地を作り出します。この技法により、経済的にも使い勝手が良いリバーシブル生地が生産され、当時の庶民に広く普及しました​​​​。

 

 

平織りコースター作り体験

また、訪問者は平織りのコースター作り体験にも参加できます。ここでは50色以上の糸の中から5色の緯糸(よこいと)を選び、自分だけのデザインを作成します。選んだ糸は杼(ひ)という道具に巻き付けて、織り機を使って織り上げます。

 

この体験は、秩父銘仙の伝統的な織り方を基にしながらも、現代のクリエイティブな要素を取り入れたものです​​​​​​。

 

 

実際の体験レポート

体験参加者は、このプロセスを通じて、心地の良いリズムで織り進める感覚や、約30分で完成する手織りコースターの達成感を味わえます​​​​。また金額は1人1500円程度で体験することが可能です。

まだ2025年オープン予定ですが、織物体験を多数用意する予定です。

興味がありましたら下記にお問い合わせお願い致します。お問い合わせはこちら

 

http://isilk.jp/isilk/contact/

 

体験を通じて感じること

この体験は、秩父銘仙をはじめとする秩父の繊維産業の歴史に触れ、実際に手を動かして学ぶ機会を提供します。昭和初期に建造され、現在は後継者育成も行われているちちぶ銘仙館で、ゆったりとした時間を過ごしながら、秩父の歴史を深く理解することができます​​​​。

 

寺内織物での体験ついて

秩父織物の一環として、寺内織物も特筆すべき存在です。寺内織物は、1914年(大正3年)に創業された歴史ある織物工場で、秩父市に位置しています。当時、秩父銘仙はその最盛期を迎えており、500もの工場が存在していたとされています​​。

 

 

寺内織物は、埼玉県指定伝統工芸モデル工場としての地位を保持しており、90年余りの長い歴史を持っています。訪問者は事前予約により、織物の製造工程を見学したり、織物の手作り体験をすることができます。また、この工場ではオリジナル商品の販売も行っています​​。

 

 

寺内織物は、秩父織物の伝統と技術を今日に伝える重要な役割を果たしており、秩父地域の織物産業の歴史を深く理解するための貴重な資源です。秩父織物体験と合わせて、寺内織物の訪問も秩父の織物文化をより深く体験するための素晴らしい機会と言えるでしょう。

 

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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