秩父の自然が生むエッセンシャルオイルでSDGsを推進
― 黒文字(クロモジ)精油の魅力と未来 ―
豊かな自然に囲まれた埼玉県秩父市。この地では、近年あらためて注目を集める“黒文字(クロモジ)”の植物資源を活かした、持続可能なライフスタイルと地域経済の両立が進められています。
黒文字の精油は、やわらかな甘さと爽やかさが調和した独特の香りを持ち、アロマ・スキンケア・フレグランスと幅広い用途で活用されています。
この記事では、秩父で生まれる黒文字精油の魅力と、その背景にある自然資源の活用、そしてSDGsへの取り組みについてご紹介します。
秩父の自然が育む植物資源
秩父は、関東平野の西端に広がる自然豊かな地域です。秩父多摩甲斐国立公園をはじめ、渓谷や深い森が多く、四季折々の風景が訪れる人々を魅了してきました。
春には芝桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬には澄んだ空気と雪景色が広がり、観光地としても高い人気を誇ります。
このような恵まれた自然環境の中、黒文字(クロモジ)をはじめ、ヒノキ、スギ、柚子、月桃、レモングラスなど、さまざまな植物が自生しています。
これらの植物から抽出される“和精油”は、近年のナチュラル志向の高まりとともに、国内外から注目される存在となっています。
伝統と継承:長瀞ハーブ研究所から今泉薬局へ
秩父のクロモジ精油の普及には、ある人物の存在が欠かせません。それが「長瀞ハーブ研究所」の創設者であり、植物化学の第一人者であった故・井上重治博士です。
井上博士は黒文字をはじめとする在来植物の薬理作用に着目し、地域に根差した植物活用の可能性を広める活動を行ってきました。
その意思を引き継いだのが、秩父市内にある老舗薬局「今泉薬局」です。今泉薬局では、博士と旧知の間柄であった初代店主の想いを継ぎ、現在も地域資源を活かした製品づくりを続けています。
この流れは、単なるアロマ製品の枠に留まらず、地域に根ざした循環型のライフスタイルの提案へと発展しています。
クロモジ精油の製造工程と活用
黒文字の精油は、主に枝や葉を2週間ほど乾燥させたのち、水蒸気蒸留によって抽出されます。この伝統的な手法は、植物の持つ香り成分を丁寧に引き出し、副産物である蒸留水は化粧水としても利用可能です。
秩父ではこのような工程を通じて、黒文字を中心とした精油を生産し、アロマ・スキンケア・フレグランス製品として全国に届けています。自然素材でありながら洗練された香りを持つクロモジ精油は、まさに「自然と共に生きる」価値を体現する存在です。

SDGsと地域循環:自然を守るものづくり
クロモジ精油の生産は、SDGs(持続可能な開発目標)における目標12「つくる責任 つかう責任」、および目標15「陸の豊かさも守ろう」に大きく貢献しています。
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地元で採取した植物資源を無駄なく活用
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化学肥料・添加物を使わずに抽出
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地域産業の雇用や観光資源としての価値創出
こうした取り組みは、自然環境への配慮と地域経済の発展を同時に実現するものであり、秩父の新しい産業の柱になりつつあります。
取り扱い商品紹介:BLACKLETTERSで出会う“森の恵み”
私たちISILKでは、秩父産のクロモジ精油をベースとしたフレグランスブランド「BLACKLETTERS」を展開しています。「黒文字=Black Letters」という名に込めたのは、日本の自然に宿る静けさと力強さを、香りで表現するという想いです。
特に下記の商品では、秩父のクロモジの魅力を最大限に活かしています。
いずれも秩父樹液生産協同組合による製品で、弊社も取り扱いをさせていただいております。ナチュラル志向の方、地域を応援したい方におすすめのプロダクトです。
まとめ:自然と人、そして未来をつなぐ
秩父の自然がもたらす黒文字精油は、ただの「香り」ではなく、そこに暮らす人々の知恵と歴史、そして未来への想いが詰まった贈り物です。
この香りを通じて、私たちのライフスタイルが少しずつ変わり、より豊かでサステナブルな選択が広がっていくことを願って——。
秩父の森から生まれた一滴の精油が、あなたの日常にやさしい変化をもたらすかもしれません。