アンバーとは?アンバーグリスとの違いと香水に使われる理由を徹底解説

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アンバーとアンバーグリス、何が違うの?

 

「アンバーの香り」と聞くと、温かみのある甘く官能的な香りを想像する方も多いのではないでしょうか?一方で「アンバーグリス」という言葉を耳にして、宝石の琥珀とどう違うのか疑問に思ったことはありませんか?

 

実はこの2つは、名前こそ似ていますがまったく異なる起源と性質を持つ香料です。

 

本記事では、アンバーとアンバーグリスの違いをはじめ、その香りの特徴、歴史、香水への応用、さらには現代のサステナブルな香り選びのヒントまで、わかりやすく解説します。

 

 

 

アンバーとは? 〜樹脂から生まれた「琥珀」の香り〜

「アンバー」とは、主に宝石として知られる琥珀(こはく)を指します。これは、数百万年前の樹木から分泌された樹脂が地中に埋もれ、時間をかけて化石化した天然樹脂です。

 

古代エジプトでは、琥珀を砕いて香り成分として使った歴史もあり、ミルラやフランキンセンスと並び宗教儀式やお香の原料として使用されてきました。

 

香水における「アンバーの香り」は、実際にはこの琥珀から直接採れるものではなく、バニラやラブダナムなどをブレンドした合成香料で「アンバーノート」を再現している場合がほとんどです。

 

 

アンバーグリスとは? 〜海が育む“幻の香料”〜

「アンバーグリス(ambergris)」は、まったく別の素材であり、動物性香料です。その正体はなんと、マッコウクジラの腸内で生成される結石状の分泌物



海に排出され、長年の漂流と太陽、塩、酸素により熟成され、やがて「金塊」とも呼ばれる香料へと変化します。かつてはクジラの嘔吐物と考えられていましたが、現在では排泄物(便)由来という説が有力です。

 

中国では「龍涎香(りゅうぜんこう)」と呼ばれ、神秘的な力を持つものとして漢方や媚薬にも使用されてきました。

 

今は手に入らない?幻の香料「ムスク」と「アンバー」の正体

 

 

アンバーグリスの香りとは? 〜ウッディ × マリン × 官能性〜

熟成されたアンバーグリスは、以下のような複雑かつ官能的な香りを放ちます。

  • ウッディな温かさ

  • 海風を思わせるソルティなニュアンス

  • 微かに動物的で甘い芳香

 

一言でいうなら、「海と森の記憶が溶け合うような香り」この独特な香りは、かの名香「シャネル No.5」などにも使用され、香りの持続性を高めるフィクサチーフとして重宝されてきました。

 

 

アンバーグリスが幻の香料と呼ばれる理由

アンバーグリスがこれほど高価で希少とされる理由は、その入手困難さにあります。

  • 発見率:100〜200頭に1頭のマッコウクジラしか持たない

  • 捕鯨禁止:現在は国際的に商業捕鯨が制限されている

  • 入手手段:自然に海に排出され、浜辺に漂着したものを「偶然」見つけるしかない

 

実際、2021年にはイエメンの漁師たちが漂着したクジラの体内から127kgのアンバーグリスを発見し、1億6,000万円で売却したという報道も話題になりました。

 

▶︎ 参考記事(AFP通信)

 

 

Sperm whale, Cachalot (Physeter macrocephalus)). Close-up of submerged adult. Tenerife, Canary Islands. (From analogical file, rotary scanner). (Sperm whale, Cachalot (Physeter macrocephalus)). Close-up of submerged adult. Tenerife, Canary Islands.

 

アンバーとアンバーグリスの違いをまとめると?

比較項目 アンバー アンバーグリス
由来 植物(樹脂の化石) 動物(マッコウクジラ)
香り 甘く、温かく、バニラ様 海風・木・動物の混じる官能的香り
入手性 安定供給可能 極めて希少
香水への利用 合成で表現されることが多い 一部高級香水のフィクサチーフ
サステナビリティ 比較的高い 低い(捕鯨禁止で代替必須)

 

 

自然の香りを楽しむなら、植物由来のフレグランスも

希少性やラグジュアリーな印象で語られるアンバーグリスですが、近年は自然由来・サステナブルな香りを求める人も増えています。

 

例えば、BLACKLETTERS(ブラックレターズ)は、秩父の森で育つクロモジの枝葉から抽出した天然精油を使い、自然の奥深さを香りで表現する日本発のフレグランスブランド。

 

合成香料では味わえない、一滴の中に宿る“森の時間”が、あなたの空間や気持ちを静かに整えてくれるはずです。

 

▶ 自然の恵みが香るフレグランスを見る:https://blackletters.jp

 

 

まとめ:香りの源に目を向けると、選び方が変わる

「アンバー」と「アンバーグリス」は、香りの世界では欠かせない存在ですが、成分・起源・価値観はまったく異なります。

  • アンバー=植物起源の温もりある香り

  • アンバーグリス=動物起源の希少で官能的な香り

 

そして現代は、サステナブルな選択や心と身体への優しさが求められる時代。香りもまた、何から生まれたのか、どう使うのかを意識することで、あなた自身の価値観やライフスタイルを映す鏡になります。

 

アンバーに惹かれるあなたにも、きっと見つかる“自分に寄り添う香り”。

ぜひ、その一滴に込められた背景ごと、香りを楽しんでみてください。

 

 

フレグランス除菌スプレー

秩父のめぐみを使ったプロダクト。

香りとともに日常を非日常に。

フレグランス除菌スプレー

フレグランス除菌スプレー

商品紹介

名酒『秩父錦』は、寛延二年(1749年)、山深く水清い秩父の仙郷に産声をあげました。以来270有余年、荒川水系の良質な水と秩父盆地特有の寒冷な気候に恵まれ、昔ながらの手作りの技術を今なお活かし、さらに磨きを加え、地酒の持つ芳醇なコクのあるお酒として名声を博しております。
 
今回はそんな酒造メーカーの協力のもと秩父錦のアルコール77を製造していただき、Blacklettersの香水3種類の香りを
合わせた除菌スプレーを発売いたしました。秩父で取れた天然のクロモジとお酒のハーモニーを体験してください。
 
秩父の水や自然で作られたアルコールは柔らかく、馴染みやすい肌触りになります。
 
ルームスプレーとしてもファブリックスプレーとしてもご利用いただけます。
 
ぜひこの機会に香水の香りをお試しください。

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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