コカコーラの名前の由来とは?植物の力と物語から生まれた世界的ブランドの秘密

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コーラは“嗜好品”という魔法

みなさんにとって、「これは自分へのご褒美だ」と感じる飲み物は何ですか?仕事終わりのビール、朝の一杯のコーヒー、人によっては濃い抹茶や赤ワインかもしれません。私にとってそれは、コカ・コーラです。

 

お酒が飲めない私にとって、あの炭酸の弾ける音と、口の中をスッと駆け抜ける甘さ、苦味、爽快感は、まるで魔法のよう。ふと疲れたときや、気分を変えたいときに飲むと、まるで気持ちがリセットされるような感覚があります。

 

よくよく考えると、これは“嗜好品”の本質なのかもしれません。香り・味・刺激——感覚を通して、私たちの気分や思考にすっと入り込む、そんな不思議な力。

そして、その代表格が「コカ・コーラ」でした。

 

 

 

名前に秘められた、植物のチカラ

──「コカ」と「コーラ」の正体

「コカ・コーラ」の名前の由来をご存じでしょうか?意外にもこの飲み物は、ふたつの“植物”の名前からできているのです。

 

● コカ(Coca)=アンデスの葉っぱ

南米の山岳地帯に生える常緑樹「コカノキ」。その葉は、古代インカ時代から高山病や頭痛、空腹をやわらげるために噛まれてきました。ほんのわずかに含まれるアルカロイド成分(現在では取り除かれている)が、疲労回復や集中力のサポートに使われていたと言われます。

 

● コーラ(Cola)=西アフリカの実

コーラ・ナッツと呼ばれる木の実は、アフリカでは儀式や歓待の場でよく使われてきました。高いカフェイン含有量を持ち、少しずつ噛み砕いて目を覚ますための“天然カフェイン”として親しまれてきた存在です。

 

このふたつの植物は、人間の“感覚”と“活力”に作用する自然の贈り物。まさに、嗜好品としての飲み物の原点だったのです。

 
 

黄金のヤカンと、コーラが生んだ物語

── “アラジンのランプ”に例えられた飲み物 ──

物語は1880年代、アメリカ・ジョージア州。ひとりの薬剤師、ジョン・ペンバートンが作り出した薬用飲料こそが、後に「コカ・コーラ」と呼ばれるものの原型です。

 

当初は「フレンチ・ワイン・コカ」として、ワインにコカ葉のエキスとコーラ・ナッツを配合したものでしたが、禁酒法の影響で炭酸水へと切り替えられ、あの刺激的な飲料へと変化していきます。

 

そのレシピが手渡されたのは、若き店主アーサ・キャンドラー。彼は薬剤師から“ヤカン”と共にそのレシピを買い取りました。そのヤカンは、のちに「アラジンの魔法のランプ」のように語られます。

 



撫でると富を生み出す魔法のランプ——実際にこの飲料は、20世紀のアメリカで最も象徴的なブランドへと成長し、世界中の雇用・経済・文化を動かす存在になったのです。

 

植物の力と、想像力。そこに人間の情熱とマーケティングが加わると、1本の飲み物が世界を変える可能性を秘めていることを、コカ・コーラは私たちに教えてくれました。

 

 

 
 

嗜好品×植物の力=クラフトコーラへ

今、コーラは再び原点へ立ち返りつつあります。植物由来の成分をベースに、ナチュラルな甘味、スパイス、果皮、香草を調合してつくられる「クラフトコーラ」は、まさに“飲むアロマ”とも言える存在。



現代人の感覚と欲求に応える、まったく新しい嗜好体験です。

 

そしてこの流れは、単なる「オーガニック」や「無添加」だけではなく、“土地の恵み”や“感情を動かす香り”をどう活かすかという問いにもつながっています。

 

 
 

黒文字クラフトコーラというアイデア

── 森から生まれる、新しい嗜好品 ──

BLACKLETTERSが香りのブランドとして、ずっと大切にしてきた植物があります。それが、日本の森に生きる「黒文字(クロモジ)」です。

 

黒文字は、昔から風邪予防や気つけの薬草として重宝されてきた、和製ハーブの代表格。ほんのり甘く、森林の奥深さを感じさせる香りは、まるで深呼吸するような癒しをもたらします。

 

この黒文字の精油を、クラフトコーラのスパイスとして活かせないだろうか——そんな発想から、私たちは新たな試みに向けて動き始めています。

 

炭酸に溶けた黒文字の香りが、夏の午後をそっと包みこむ。疲れた心に一杯、森の恵みを届けるような飲み物。そんな「香りを味わうクラフトコーラ」を、秩父の森からお届けできたら。

 

 

 

想像力 × 自然 = 新しい文化をつくる

── クラフトコーラがつなぐ未来の香りと暮らし ──

「コカ・コーラ」という名に、コカの葉とコーラ・ナッツという自然の恵みが込められていたように、私たちの身近にある嗜好品の多くも、もとは植物がもたらしてくれた贈り物です。

 

そして、コカ・コーラの成功の陰にあったのは、ただ成分の機能性ではなく、“人々を惹きつける物語”と“暮らしの中での幸福な体験”でした。

 

BLACKLETTERSは、自然から抽出した和精油を軸に、香水やキャンドルなど「香りのある暮らし」を提案してきました。

その延長線上にあるのが、黒文字のクラフトコーラです。

 

嗅覚と味覚が交差し、日常の中に深く染み込んでいく新しい嗜好品。心をゆるめる香りと、身体に優しい素材でできたこの飲み物が、単なる“飲料”ではなく、五感を刺激する「文化」として根づいていく未来を、私たちは思い描いています。

 

秩父の森で芽吹いた一滴の精油が、遠くの街で誰かの心をほどく。そんなつながりを、黒文字のクラフトコーラから紡いでいけたらと願っています。

 

 
 
 
 

\あなたも、森の香りを味わってみませんか?/

黒文字の香りは、BLACKLETTERSの香水「KUROMOJI」でも体感いただけます。

▶ 香りの世界を覗いてみる → [KUROMOJI商品ページへリンク]

 

 

 
 
 

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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