スキンケアに、香りは必要ですか?|感情と記憶を揺さぶる“香りのケア”という発想
なぜ私たちは香りに惹かれるのか
香りは、目に見えません。触れることもできません。
それでも一瞬で感情を動かし、記憶を呼び覚ます力があります。
たとえば、生乾きの匂いが気分を台無しにしたり、
雨上がりの土の香りで小学校の帰り道を思い出したり。
そんな経験、ありませんか?
人は、香りに感情を重ねて生きています。
香りに携わるようになってから、私はその“目に見えない力”の大きさに驚かされ続けています。
香りと化粧品の出会い──それは、肌ではなく心へのアプローチだった
私たちが香り開発に携わるようになったきっかけは、化粧品づくりでした。
私たちのブランドは、秩父の自然資源──たとえばシルクやクロモジ、和精油──を活かしながら、土地の恵みを“肌で感じる”プロダクトを届けることを目指しています。
秩父はかつて、人口の約8割が養蚕に関わるシルクの町でした。
今では7軒ほどに減ってしまった養蚕農家ですが、この豊かな文化を未来につなぐには、持続可能な形で“使っていくこと”が必要だと考えたのです。
そんな背景から誕生したのが、シルクを活かした基礎化粧品(スキンケア)でした。そして開発中、最も印象に残ったのが「香り」でした。
スキンケアの目的は「整えること」。香りはその入口になれる
クレンジング、洗顔、化粧水、乳液、クリーム…。スキンケアは、肌を清潔にし、潤し、守るという毎日の“整える所作”です。しかし現代のスキンケアは、ある意味で“矛盾”を抱えています。
朝、肌に化粧品をのせてから日中の外気やメイクで肌は疲弊し、夜、ようやくメイクを落として、再びスキンケアで整える。「塗っては落とす」の繰り返しに、どこか違和感を持ったことはありませんか?
それでも、スキンケアの時間が好きな人が多いのはなぜか。それは、肌だけでなく、心も整っているからです。そしてその鍵を握っているのが、「香り」なのです。
香りは脳を癒す、もうひとつのスキンケア
香りは、五感の中で唯一「大脳辺縁系(感情や記憶をつかさどる脳)」に直接届く感覚です。
これは、音楽が記憶を呼び覚ますのと似ています。
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幼少期に嗅いだ母のスキンケアの香り
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旅先のホテルで感じた枕の香り
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季節の変わり目にふと香る金木犀や柚子の香り
それらはすべて、感情や記憶と結びつき、“自分を取り戻す時間”をつくるトリガーになります。スキンケアという行為に香りが加わることで、「肌のため」だけでなく、「心のため」の時間になる。私たちは、それを“香りのスキンケア”と呼びたいのです。
香りが合う=スキンケアが続く
香りが苦手な化粧品は、どんなに成分が良くても、肌に合っていても、使い続けられません。逆に、香りが好きというだけで、長く愛用してしまうこともあります。つまり、香りの好みとスキンケアの相性は、切っても切れない関係にあるのです。
もちろん、香りがまったくない“無香料”を好む方もいらっしゃいます。でも、香りがあることでスキンケアが楽しくなるなら、それもまた大切な価値だと思うのです。
BLACKLETTERSが香りをつくる理由
香りを嗅いだ瞬間、脳の奥に届く何かがある。だからこそ、スキンケアに香りを込めたくなった。そして今、私たちは香水や紐お香といった“まとう香り”のプロダクトにも取り組んでいます。
肌を整える香り、心を包み込む香り。
日々の生活の中で、香りはあなた自身を整える“静かなスイッチ”になってくれるはずです。
香りと肌、どちらも整えるという発想──
BLACKLETTERSとSHELOOK、2つのブランドのアプローチ
香りは心を整え、
スキンケアは肌を整える。
その両方を同時にかなえることができたら──
私たちは、そんな想いから2つのブランドを展開しています。
🌿 BLACKLETTERS(ブラックレターズ)
秩父産クロモジなどの精油を使い、感情や記憶に寄り添う香りを表現するフレグランスブランド。
香水・紐お香・香り診断など、五感で感じる“香りの体験”をお届けしています。
🕊 SHELOOK(シールック)
秩父のシルクを活かした、肌と香りのバランスにこだわったスキンケアブランド。シルクのアミノ酸は肌にやさしく、乾燥やエイジングが気になる方にも好評です。無香料ラインに加えて、天然精油のほのかな香りを楽しめるタイプも開発中。
👉 [SHELOOKのスキンケアを見る]
👉 [シルクの美容効果について知る]
肌と心、その両方を整える時間を、ぜひ見つけてみてください。
最後に|秩父の恵みを、香りというかたちで
今後、私たちが目指しているのは、秩父の植物や素材を使った香料・原料開発です。
ゆくゆくは「成分の半分以上が秩父産」──そんなスキンケアや香水をつくるのが目標です。
その第一歩として、自然の香りと感情に寄り添う香りを、これからも一歩ずつ形にしていきます。