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グラースはなぜ「香水の都」になったのか?革の町から世界的香料産業が生まれた歴史

南フランスの小さな町グラース(Grasse)は、「香水の都」として世界中の調香師や香水愛好家が憧れる聖地です。

 

花の香りに包まれたこの町は、長い年月をかけて香水産業の中心地へと発展しました。しかし、もともとは香りとは無縁の「革なめし」の町だったことをご存知でしょうか?

 

この記事では、グラースが香水の都へと進化していった歴史をひもときながら、その香りの哲学が現代のブランドにもたらす影響についてご紹介します。

 

 

グラース——香水の都になるまでの歴史年表

年代 出来事
12世紀 革なめし産業で栄える。上質な革手袋の産地として知られる
16世紀 革手袋に香料をしみ込ませる「香り付き手袋」がフランス貴族に流行
1533年 カトリーヌ・ド・メディチがイタリアからフランスへ輿入れ。専属調香師を連れ込み香水文化を宮廷に広める
1614年 「手袋・香料産業同業組合(Corporation des Gantiers Parfumeurs)」が正式に設立。香料産業の地位を確立
17世紀〜 革なめし産業が衰退。代わりにバラ・ジャスミン等の花卉栽培が盛んになる
18世紀 天然香料の精製・供給拠点として「香水の都」の地位を確立
19世紀 工業化により大量の香料生産が可能に。世界中の香水ブランドへ供給
20世紀〜現在 ロベルテ・シャラボなど名門香料会社が拠点を置く。香水博物館・調香体験施設も整備
2018年 ユネスコ無形文化遺産に「グラースの香水に関わる知・技・習わし」が登録

 

革なめしの町から香水の都へ

グラースは12世紀ごろから革なめし産業で栄えた町でした。高品質な革を生産していた一方で、その強烈な臭いが上流階級には敬遠されていました。

 

そこで、地元の職人たちは革手袋に香料をしみ込ませ、臭いを和らげる工夫を始めます。この「香り付き手袋」は次第にフランス貴族の間で流行し、実用性と優雅さを兼ね備えた贅沢品として定着していきました。

 

1614年、グラースの香り付き手袋製造業者は正式に「手袋・香料産業同業組合」の名称を得て、市場での地位を確立。これにより、グラースは香水産業の町として本格的な一歩を踏み出しました

 
 

ルネッサンス期と香りの文化——カトリーヌ・ド・メディチの役割

中世からルネッサンス期にかけて、人々は入浴を避ける傾向があり、その代わりに香水を身体や衣服、家具に振りかけて体臭を隠していました。

 

この時代に決定的な役割を果たしたのが、カトリーヌ・ド・メディチです。

人物 役割
カトリーヌ・ド・メディチ イタリア・フィレンツェのメディチ家出身。1533年にフランス王アンリ2世に嫁ぐ
ルッジェーリ兄弟 カトリーヌの専属調香師。フランスに渡り、イタリアの香料技術を伝える

 

彼女がフランスに持ち込んだ香水文化は、王侯貴族の間で急速に広まりました。この動きが、イタリア中心だった香料文化をフランスへとシフトさせるきっかけとなり、南仏・グラースの台頭につながっていったのです。

 

 

 
 

花々が香る南仏の恵み——グラースの気候と栽培品種

18世紀に入ると、革なめし産業は衰退する一方で、香料生産はますます活性化していきます。温暖な地中海性気候と丘陵地に恵まれたグラースでは、香水に欠かせない花々の栽培が盛んになりました。

 

グラースで栽培される主な香料植物

植物 収穫時期 主な抽出方法 香りの特徴
バラ(ローズ・ド・メ) 5月 溶剤抽出・水蒸気蒸留 華やか・甘い・フローラル
ジャスミン 7〜9月(夜明け前に手摘み) 溶剤抽出(アンフルラージュ) 甘く官能的・深みのある香り
チュベローズ 8〜10月 溶剤抽出 濃厚・甘美・エキゾチック
ラベンダー 7〜8月 水蒸気蒸留 爽やか・ハーバル・リラックス
ミモザ 2〜3月 溶剤抽出 パウダリー・甘い・温かみ
オレンジブロッサム(ネロリ) 4〜5月 水蒸気蒸留・溶剤抽出 爽やか・フローラル・軽い甘み

 

特にグラース産のジャスミンとローズ・ド・メは、世界最高品質の香料原料として知られています。シャネルN°5に使われるジャスミンとバラは、現在もグラース産のものが使用されています。

 

 
 

現代のグラース——世界に香りを届ける拠点

現在のグラースでは、天然素材と合成香料を組み合わせた多様な香水原料が生み出されています。

グラースを拠点とする主な香料会社

会社名 特徴
ロベルテ(Robertet) 1850年創業。天然香料に特化した世界最大級の香料会社
シャラボ(Charabot) 1890年創業。植物性香料の研究・生産
ガッリマール(Galimard) 1747年創業。観光客向け調香体験でも有名
フラゴナール(Fragonard) 1926年創業。香水博物館の運営も行う
ムルヌ(Molinard) 1849年創業。グラース最古の現役香水ブランドのひとつ

2018年には「グラースの香水に関わる知・技・習わし」がユネスコ無形文化遺産に登録され、その文化的価値が世界に認められました。

 

BLACKLETTERSに受け継がれる「香り」の哲学

BLACKLETTERSもまた、グラースが400年かけて育んだ「香りで人生を彩る文化」に深く共鳴しています。

グラースが「地域の素材・気候・職人の技術」から世界的な香水産業を生み出したように、BLACKLETTERSは秩父の自然に自生するクロモジ(黒文字)という地域固有の素材から、日本発の香りの文化を育てようとしています。

 

グラース BLACKLETTERS
南フランスの温暖な気候・丘陵地 埼玉・秩父の山間・盆地気候
ジャスミン・バラ・ラベンダー クロモジ・ユズ
革なめしの臭いを消す→香料産業へ 秩父の自然の香りを届ける→ブランドへ
400年の歴史 現在進行形

 

日本の美意識とフランスの香り文化。その交差点に、BLACKLETTERSは立っています。

 

BLACKLETTERSラインナップ

商品 香りの特徴 価格
香水 KUROMOJI(EDT・8ml) 秩父の森の朝・澄んだウッディ ¥4,620(税込)
香水 URAHA(EDT・8ml) 葉裏の青さ・植物的な深み ¥4,620(税込)
香水 SORAIRO(EDT・8ml) 秩父の空・透明感・軽やかさ ¥4,620(税込)
クロモジ精油(3ml) 原液・ディフューザー・サシェに ¥5,500(税込)
サンプルセット(3種) まず香りを試したい方に ¥990(税込)

👉 BLACKLETTERSの香水を見る 👉 ¥990のサンプルセットで試す

 

まとめ:グラースが教えてくれる「香りの本質」

テーマ ポイント
グラースの起源 12世紀の革なめしの町。臭いを隠す香り付き手袋が香料産業の出発点
転換点 1614年の同業組合設立・カトリーヌ・ド・メディチによる香水文化の普及
発展の理由 温暖な気候・豊かな花卉栽培・天然香料の精製技術
現代のグラース ロベルテ・シャラボ等の香料会社・ユネスコ無形文化遺産(2018年)
日本との接点 地域素材×職人技術×香りの哲学——BLACKLETTERSが秩父で目指すもの

香りは、その土地の気候・植物・文化・人の手が重なって生まれます。グラースの400年の歴史は、「香りとは場所の記憶である」ということを教えてくれます。

 

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秩父祭り会館

〒368-0041 埼玉県秩父市番場町2-8

0494-23-1110

10時00分~17時00分 休館日:毎週火曜日

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    秩父鉄道ご利用の場合 熊谷駅から秩父鉄道 秩父駅下車 徒歩3分

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    日高・飯能方面よりお越しの場合 国道16号経由、国道299号で秩父方面へ
    甲府・山梨方面よりお越しの場合 中央自動車道 勝沼I.C.より国道20号~国道411号~国道140号経由で秩父方面へ

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この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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