香水を試す紙“ムエット”とは?使い方と選び方、BLACKLETTERSのこだわりまで解説

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香水売り場やアロマショップで見かける細長い紙――それが「ムエット紙」です。



香りを試すためのこの紙は、ただの紙ではありません。香水の第一印象を左右する、大切な“香りのキャンバス”です。

 

本記事では、ムエット紙の基本から使い方、さらには香りを纏う文化とともに、私たちBLACKLETTERSがこだわる世界観まで詳しくご紹介します。

 

 

 

ムエット紙とは?

ムエット紙は、香水やアロマオイルの香りを試すための専用紙です。
 
日本語では「匂い紙」や「試香紙」とも呼ばれます。
 
香水を直接肌につけずに香りを確認できるため、香りの比較や調香の際に重宝されています。
 
 
 
 

ムエット紙の語源と由来

「ムエット(mouillette)」はフランス語で「吸い取り紙」や「浸したパン」を意味します。
 
 
もともとは半熟卵やソースをパンに浸して食べる習慣からきており、「濡らす(mouiller)」が語源とされています。
 
香水業界では、香りを吸収する紙としてこの名称が使われるようになりました。
 
ムエット紙は細長いものやブランドロゴ等が入ってるもの、ブランドにより色々あります。
各ブランドで特徴があるので、集めてみるのも面白いかもしれません。
 
 
 
特にこの紙がムエット紙でなくてはいけないと言った認識はないようで、紙であればなんでもいいのかな?と思ってしまうほどです。
 
 

 

ムエット紙に適した紙とは?

ムエット紙は、どんな紙でもよいわけではありません。香水の香りを正しく伝えるために、以下の条件を満たす必要があります:
 
  • 無臭であること:​紙自体の香りが香水の香りを邪魔しないようにするため。

  • 吸液性と保香性:​香料を均一に吸収し、香りを長時間保持できること。

  • 強度とコシ:​香料を含んでも形状を保ち、扱いやすいこと。

  • 耐溶剤性:​香料の溶剤によって紙が変質しないこと

 
 

竹尾の「アラベール」やBLACKLETTERSの「黒気包紙」

老舗紙専門店・竹尾によれば、水彩画用紙のような適度な凹凸が香りの定着に効果的だといいます。私たちBLACKLETTERSでも、そのアドバイスを元に、黒の「気包紙」を採用しました。

 

“BLACKLETTERS”という名の通り、ブランド全体に「黒」の世界観を込めています。ムエット紙もパッケージも黒で統一し、クロモジ=黒文字の物語を香りとデザインで表現しています。

 

👉 BLACKLETTERSの香水一覧を見る

 
 
 
 

ムエット紙の使い方

  • ムエット紙の使い方はとてもシンプル。香りの変化を正しく体験するために、以下の手順がおすすめです。

    1. 香水を1〜2プッシュ:紙の先端に吹きかけます。

    2. 軽く振ってアルコールを飛ばす:香りが立ち上がるまで少し待ちます。

    3. 鼻から数センチ離して香る:トップノートを感じ、時間が経つごとにミドル~ラストノートを追ってください。

    調香師は、このムエット紙を通じて繊細な香りの調整を行い、ブランドの世界観を形にしていきます。

 
 
ブランドごとにロゴを入れることでブランディングに使うところもあります。
人間の肌に近い凹凸感のある紙が選ばれるのは、このためです
 
 
また、ムエット紙の持ち手部分を折り曲げてテーブルに置くことで、香りが接触面に移るのを防ぐ工夫もされています。
 
 
そんな工夫が随所に見られるのは、調香師が香りに対する細心の注意から生まれるトリビアでもあります。
 
 
 

ムエット紙の再利用アイデア 

使い終わったムエット紙も、ただ捨てるだけではもったいない。香りが残っているうちは、以下のような活用方法があります:

  • 本のしおりに:読書のたびにふわりと香りが漂う癒しの時間に。

  • クローゼットの芳香剤代わりに:衣類にほのかな香りを添えて。

  • 簡易アロマディフューザーに:グラスに挿して部屋の香りづけに。

 

BLACKLETTERSのパッケージ紙もムエット紙と同じ紙質を採用しており、香りをしっかりと保持します。ギフトを受け取った瞬間から、香りとともに物語が始まります。

 
 
 

なぜ“黒”にこだわるのか

BLACKLETTERSの語源である「黒文字(クロモジ)」は、香り高い和のハーブ。精油は香水やルームフレグランスに使用され、私たちのブランドの核となっています。

黒を基調にしたパッケージは、和と洋、過去と未来、自然とモダンが交差する「静かな強さ」を表現するための象徴です。

 

BLACKLETTERSでは、以下の3種の香りを展開中:

 

  • KUROMOJI:静けさと清涼感を併せ持つ、森林のような香り

  • URAHA:葉裏に宿るしっとりとした湿度と青さを感じさせる香り

  • SORAIRO:空を仰ぐような軽やかさと透明感のある香り

 

👉 3種の香りの違いと選び方はこちら

 

まとめ

ムエット紙は香りを「体験」するための最初のステップ。そこには、紙という素材の力と、香りを愛する人々の工夫が詰まっています。

 

BLACKLETTERSでは、ムエット紙一枚からブランドの世界観が始まると考えています。香りの奥行きを、ぜひ手に取って体験してみてください。

 

 
 
 
 

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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