秩父の消滅可能性:変化する地域経済とその未来展望

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秩父地域は、その自然美と観光地としての魅力により多くの訪問者を惹きつけていますが、人口減少と高齢化が進む中で「消滅可能性地域」として指摘されることもあります。

 

この記事では、秩父の現状とこれからの展望について、地域経済と社会構造の変化を踏まえて詳しく掘り下げていきたいと思います。

 

秩父のミューズパークから見渡せる絶景

 

秩父地域の現状

秩父地域は埼玉県の西部に位置し、豊かな自然環境と歴史的な神社仏閣で知られています。

 

都内からも池袋駅から特急のラビューに乗れば1時間半で大自然の景色を見ながら秩父に来ることができます。

 

この魅力的な地域も、国内の多くの地方都市と同様に、人口減少の問題に直面しており、特に若年層の流出が顕著です。

 

最近ですが、民間組織「人口戦略会議」は、東京都内で24日に開いたシンポジウムで、将来的に「消滅の可能性がある」と見なした744市町村の一覧を公表したという記事を見つけました。

 

記事はこちら

 

埼玉県内は16市町村が該当しており、秩父市、横瀬町、皆野町や長瀞町、小鹿野町などの県北・秩父地域と発表されました。

 

秩父は、市内に大学がありません。一番近い大学が、電車で1時間の熊谷市か飯能市になります。

 

そのため秩父の若い人たち、とくに頭がいい人は高校に上がる段階で、聖望学園、西武文理、熊谷高校、熊谷女子高校、熊谷西高校に進学をします。

 

そうなると優秀な人は秩父をでていき大学に進学し、都内の企業や研究者になり秩父に戻ってくることはありません。

 

もしかすると、秩父に残って家の家業を継いだりしてくれる人も少なからずいると思います。

 

しかし、秩父市は大学生が本当に少ない印象です。また、産婦人科が1件しかない現状も出生率を下げている原因かもしれませんが、これをどう上げていくか、人口を増やすかというのは国でさえ無策な現状を考えるとなかなか厳しいのではと思ってしまいます。

 

子供の出生率はどんどん減少傾向に進んでいます。

 

秩父市では、この問題に対処するために若者や若い家族が地域に留まるよう促す施策を実施しています。

 

これには住宅支援策や子育て支援が含まれ、地域おこし協力隊を活用して都市部からの移住を促進するプログラムも導入されています。これらの施策は、地域の魅力を再発見し、人々が長く住み続けることを目指しています。

 

 

 

地域経済の主要産業と課題

秩父地域の経済は、観光業に大きく依存しています。秩父での1番の観光資源は神社仏閣や12月3日に行われる秩父夜祭です。秩父夜祭はもともと絹のお祭りと言われており、日本三大曳祭りとして有名です。

 

【3年ぶり開催の秩父夜祭】12月開催秩父夜祭りの歴史を紐解く

 

もともと人口減少の中で、観光というものに特化しようとシフトチェンジし、漫画の映画化の舞台や西武鉄道のCMなど、またバンクーバーオリンピックで浅田真央選手の姉から妹に贈られた月に1度配られる気のお守りで有名な三峰神社など、パワースポットとしても有名になり、観光客が年々増えるようになりました。

 

三峰神社のお守りのブログはこちら

 

秩父のテーマパーク、ミューズパークは今!

 

もともと西武鉄道は軽井沢まで秩父を中間地点に置き鉄道を走らせようとした計画があったほどです。

 

地元産業や農業も重要な役割を果たしています。観光依存の強化と地元産業の振興が求められている中、新しいビジネスモデルの導入が急務です。

 

 

人口減少と高齢化の影響

人口減少と高齢化は、労働力不足、消費市場の縮小、公共サービスの維持困難といった課題を引き起こしています。

 

特に高齢化は一気に進み、税収を期待することもできず、秩父にあった産業は衰退し企業誘致もそこまでできていないのが現状ではないでしょうか?

 

人口減少は止められず、以前は西武秩父線が廃止されるところまで話が出ていました。
やはり赤字路線であることや利用客の減少というのが原因の1つになります。

 

現在はハイキングや秩父の芝桜だったり、イベントがあるとかなりのお客様がくるようになったので、西武鉄道にとってはいいことだと思いますし、祭りの湯という西武秩父の駅前に施設ができたので、そこでも温泉や秩父のお土産を買って帰ったりと、日帰りプランとしておすすめされています。

 

 

 

地域振興の取り組みと成功例

地域全体で取り組んでいる振興策や成功事例を紹介します。これには、地域資源を活用した新しい観光商品の開発や、地域住民と訪問者をつなぐイベントの実施が含まれます。

 

まずは秩父の地場の環境がお酒に適応しており、日本酒をはじめ、ワインやウイスキー、ビールなどなどたくさんの会社があることが強みになります。

これは秩父にとっての宝であり、夏は暑くて冬は寒いという寒暖差と美味しい水が生み出す環境があること。この秩父の環境が美味しいお酒を作る地場になっています。

 

ここをアピールするために、成功例として世界に認められたイチローズモルトの存在が大きいと思います。

 

秩父はお酒組合があり、全てそこを通して秩父の酒店に卸されます。そのため、秩父で売るのであればそこを通さないと売れないというデメリットもありますが、イチローズモルトのように手の入らないお酒は秩父の酒店にとってはすごくありがたいことかと思います。

 

西武鉄道や秩父鉄道と取り組むイベントもお客様を呼び込む1つの施策となっています。
それに参加した人や秩父に住んでみたいという方が、そういったイベントから増えているのも成功例の1つです。

 

 

 

未来への展望と提案

まずは、インバウンドの観光客をしっかりと掴みながら、どうやったら秩父市に人が来てくれるか?働く場所と魅力ある場所を提供するにはどうしたらいいか?

 

秩父に大学ではなくても、将来秩父から世界で活躍できるような、ベンチャーウイスキーのイチローズモルトみたいな企業がどんどん出てきてくれるような施策を打つとか。

 

まずは、秩父の高校に通う生徒が、秩父に留まっても将来食べていける仕組みや大学を秩父にいながら月に4回学校にいけば単位がもらえ授業は全てオンラインなどの仕組みをしっかり整え、秩父の中でより実技を特化できる場所が共有できれば、大学側も協力してくれるのでないでしょうか?

 

日本でも農業の衰退が叫ばれています。秩父はフルーツが有名で、野菜はあまりというイメージですが、やはり今後農業をやる人が減ってくることも見越してIT化など、稼げる仕組みを作ることであまりんのようないちごブランドや卵ブランドなど、色々な可能性が広がると考えています。

 

 

 

 

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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