株式会社ISILK

クロモジはクラフトジンに使えるのか?ボタニカルとしての可能性と秩父の挑戦

クラフトジンが日本でも急速に広がっている。その背景にあるのは、「ボタニカル」と呼ばれる香りの原料をつくり手が自由に選べるという、ジンというお酒の特性です。

 

柚子、山椒、緑茶——日本各地の植物を使ったクラフトジンが次々と生まれるなか、私たちISILKが注目するのは**クロモジ(黒文字)です。秩父産の香木として私たちが香水に使ってきたこの素材が、ジンのボタニカルとしてどんな可能性を持つのか。

 

2023年に埼玉県初のクラフトジン蒸留所・武蔵野蒸留所を訪問して感じたことを中心にお伝えします。

 

 

 

 

クラフトジンとは何か——ボタニカルが個性を決める

ジンはEUの規定では「ジュニパーベリーの香りを主とし、瓶詰めアルコール度数37.5%以上」という条件を満たせば、他の素材は自由に加えられるお酒です。この自由度の高さが、クラフトジンの多様性を生んでいます。

 

規定上のカテゴリーは3つに分かれています。

カテゴリー 特徴
ジン(Gin) 浸漬のみでも可。天然・人工香料どちらも使用可
ディスティルドジン 農作物由来エタノールを使用し、ボタニカルと共に再蒸留
ロンドンジン 天然ボタニカルのみ・着色料不可。最も厳格な規定

 

下に行くほど条件が厳しく、素材と技術の純度が求められます。武蔵野蒸留所の「棘玉」はロンドンジンに近い印象で、素材そのものの味を伝えることへの強いこだわりを感じました。

 

 

 

武蔵野蒸留所が教えてくれたこと

埼玉県川越市にある武蔵野蒸留所は、1887年創業の老舗酒類販売店・株式会社マツザキが新たに立ち上げたクラフトジン蒸留所です。

 

荒地になっていた敷地を活用し、ジュニパーベリーをはじめとする多様な植物を自ら栽培。日本では育てるのが難しいとされるジュニパーベリーを2年以上枯らさずに育てることに成功し、「棘玉」というクラフトジンを完成させました。柚子・山椒・自生した茶の葉が配合されており、IWSCゴールドを受賞しています。

 

130年前に建てられた竹炭倉庫を蒸留所として使うという空間づくりも印象的でした。素材だけでなく、場所と歴史ごと一本のジンに込める——その姿勢は、私たちがBLACKLETTERSで目指すものと重なります。

 

 

 

 

クロモジはボタニカルとして使われている——ただし、それだけでは差別化にならない

クロモジはすでに養命酒をはじめ、複数のクラフトジンや食品がキーボタニカルとして採用しています。香りの独自性・爽やかさと奥行きのバランス・日本原産という文脈の豊かさから、ボタニカルとしての評価はすでに確立されています。

 

だからこそ、「クロモジを使う」というだけでは他との差別化にはなりません。問いはここから先です。秩父産クロモジ、特定の産地・特定の農家・特定の採取時期というストーリーを持った素材としてジンに落とし込めるか。それができて初めて、BLACKLETTERSが香水でやってきたことと同じ文脈が生まれます。

 

 

 

 

秩父×クロモジ×ジンという可能性

現在、秩父でクラフトジンに取り組む事業者の存在を知っています。詳細はまだ確定していませんが、クロモジという共通の素材を軸に、何か一緒に動けないかと考えているところです。

 

秩父は年間300以上の祭りを持ち、クロモジ・ユズ・山椒など香りの強い植物が自生する土地です。日本酒の蔵(秩父錦・武甲酒造)もあり、発酵文化の土壌もある。クラフトジンが育つ条件が揃っています。

 

BLACKLETTERSが香水でクロモジの価値を伝えてきたように、ジンという形でもクロモジの香りが届く日が来るかもしれません。

 

 

 

まとめ

  • クラフトジンはボタニカルの自由度が高く、日本の植物素材との親和性が高い
  • 武蔵野蒸留所の「棘玉」は、素材と場所を丸ごとジンに込めた好事例
  • クロモジはボタニカルとしての香りポテンシャルを持つが、使用部位・規制の確認が必要
  • 秩父×クロモジ×ジンという展開を、現在模索中

 

BLACKLETTERSの香り——クロモジを知る入口として

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秩父に来たら、ぜひ立ち寄ってください。

秩父祭の歴史を伝える「秩父祭り会館」にて
BLACKLETTERSの香水を販売しています。

秩父の森から生まれた香り、
ぜひ現地で体験してみてください。

秩父祭り会館

〒368-0041 埼玉県秩父市番場町2-8

0494-23-1110

10時00分~17時00分 休館日:毎週火曜日

ACCESS 

  • 電車をご利用の場合

    西武鉄道ご利用の場合 池袋より西武秩父線利用 西武秩父駅下車 徒歩15分
    秩父鉄道ご利用の場合 熊谷駅から秩父鉄道 秩父駅下車 徒歩3分

    お車をご利用の場合

    関越自動車道ご利用の場合 関越自動車道 花園I.C.下車 国道140号で秩父方面へ
    日高・飯能方面よりお越しの場合 国道16号経由、国道299号で秩父方面へ
    甲府・山梨方面よりお越しの場合 中央自動車道 勝沼I.C.より国道20号~国道411号~国道140号経由で秩父方面へ

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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