ファッションブランドはなぜ香水を売るのか?【ビジネスの構造を解説】
香水はアート?ファッション?
香水=ハイブランドの香水
昔から香水といえば、ブランドのイメージが強いと思っていました。ドルチェアンドガッバーナやカルバンクライン、ディオール、シャネル、ミュウミュウなど。
香水はファッションと同じで、人を美しくさせる1つの道具(アイテム)であると考えています。
洋服、バック、靴、アクセサリー、メイク、化粧品、お酒。それが一体となったビジネスを展開している会社がLVMHだと考えます。バレンシアガやグッチ擁するケリングもその1つです。
ヨーロッパの2代財閥と言われるくらい高級なファッションブランドを持っています。
ファッションの循環構造
有名なデザイナーを起用し、オートクチュールからプレタポルテまで、毎シーズンコレクションを展開します。
洋服の文化はヨーロッパのParis(パリ)が伝統や歴史的背景からミラノコレクション、ニューヨークコレクション、ロンドンコレクションなどがありますが、デザイナーが目指すは、パリコレクション。世界のトレンドはパリから発信されます。
メンズではイタリアのピッティが有名ですね。
現在ではルイヴィトンは初の黒人デザイナーで話題を呼んだOFFWHITE(オフホワイト)のヴァージルアブロー、DIORはメンズはキムジョーンズ、レディースはマリア・グラツィア・キウリ。初めてディオールの女性デザイナーになります。
一方バレンシアガはVETMENTS(ヴェトモン)のデムナ・ヴァザリア、グッチはアレッサンドロミケーレと有名デザイナーを起用しています。
ファッションとお酒の関係
このような構図からすると、ファッションと水もの(お酒や化粧品)は欠かせない存在であり、この水ものやアクセサリーなどはコレクションのランウェイを開催する上でブランディングや広告宣伝効果を高め、バックやアクセサリー、香水、メイクアップを売ることで、お金が循環するという仕組みで成り立っているとのではと思っています。
日本と違いヨーロッパやアメリカには社交場が必ずあるため、オートクチュールで作るドレスやプレタポルテは需要があり上顧客のために1着を売りアパレル部門でも収益を得ることは可能だと思いますが、トップメゾンは、メゾンと言われるオートクチュールを生み出すことのできる部門もあるため、手の良い職人がこぞって競い合う場でもあります。
またランウェイで披露されたものは量産化され市場で展開されますが、ファッションショーをやった対数のうちほんとに売れる洋服はそのうちの3分の1で、他はランウェイだけで製品化されない可能性もあります。
確かに洋服だけでも十分収益は出るのかもしれませんが、巨大企業はそれを宣伝と捉え、水もの(お酒)やアクセサリーをメインに季節性のないものを売ってより大きな利益を得ています。
特にLVMHはLVルイヴィトン(バックで有名)とMH モエヘネシー(シャンパンで有名)が合併してできた会社のことを言います。
香水とファッションの関係性
香水に携わるようになり、わかったことがあります。
ファッションデザイナー=フレグランスデザイナー
パタンナー(洋服の形、パターンを作る人)=調香師
日本は昔から無臭文化と言われているため世界的に見ると日本のマーケットはかなり小さいと考えられていました。
香りというと香水よりかはお香が歴史としては長いように感じますが、ヨーロッパは洋服も香りも歴史が長い為、香水を調香する調香師は花形職業になります。
一方ファッションも一緒であくまでデザイナーはディレクターでまとめ役。基本的にはパタンナーは海外では花形職業です。
やっぱり人を美しく魅せる世界は一緒なんだなあと改めて感じました。
日本では残念なことにファッションは企業デザイナーやパタンナーはあまり重宝されていないのも事実です。
調香師についても、そもそも日本には調香師という職業よりかは食品の香料を作るフレーバーと言われる職業の方が多く、滅多に注目されることはないのが、日本の現状です。
海外のものに魅せられるのは、そういった日本社会におけるヨーロッパに対する憧れも関係してくるのでしょう。
弊社ブランドとしてはなるべく天然の香料にこだわった香りを発信していきたいというコンセプトであり、香りをクリエイト(創造)すると際に人工香料でも香りの見せ方やどこにもないような感動的な香りを生み出すことができれば、香りを楽しむという純粋な側面としては素晴らしいことであり、ヨーロッパの歴史の中で生かされてきた産物をアートと捉えてもらうことも重要ではないかと思います。
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