ファッションブランドはなぜ香水を売るのか?
香水はアート?それともファッション?
香水といえば、ディオール、シャネル、ミュウミュウなど、ハイブランドを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実際、多くのファッションブランドが香水をラインナップしており、それは単なる商品の一つではなく、ビジネスとしても、そして消費者との接点としても重要な役割を果たしています。
この記事では、なぜファッションブランドが香水を展開するのか、その背景やビジネス構造に加え、香水を選ぶ消費者側の視点や日本市場での展望についても掘り下げていきます。
ファッションブランドにとって香水とは「利益を生むアイテム」
ハイブランドにとって、香水やお酒といった”水もの”は利益率が高く、衣服よりも安定的な収益源とされることが多いです。
ファッション業界では、デザイナーによるシーズンごとのコレクション(ランウェイ)を行い、ブランディングを高めながら、実際の売上はバッグ、靴、アクセサリー、そして香水のような商品群で担保するというビジネスモデルが一般的です。
たとえばLVMHグループ(ルイ・ヴィトン、ディオールなどを傘下に持つ)では、”モエ・ヘネシー”部門でシャンパンやスピリッツを展開しながら、香水やコスメ部門の収益が大きな柱となっています。
これは、名前が広く知られたブランドだからこそ成立する「認知 × マス販売」によるモデルで、特に香水は洋服よりも価格的に手が届きやすく、ブランディングの入り口商品として機能しています。

消費者視点から見る「香水」の魅力とは?
消費者にとって香水は、単なる香りではなく、自分を表現する手段でもあります。
ハイブランドの香水は「ブランドの一部を所有する体験」ができるツールであり、ファッションと比べて手が届きやすい価格帯ということもあって、幅広い層に支持されています。
さらに、香りには感情や記憶と密接につながる性質があり、好きな香水をまとうことで安心感や自己肯定感が高まるという心理的効果もあります。
「今日は少し背筋を伸ばしたい」「気分をリセットしたい」——そんな場面で香水は、香りを通じて気分を変える“スイッチ”としての役割も担っています。
ヨーロッパに根付いた「香り文化」と調香師の地位
ヨーロッパでは、香水は単なる装飾ではなく「身だしなみ」の一部として社会的にも定着しています。パリやグラースには世界的に有名な香水学校もあり、調香師(パフューマー)は職人としての尊敬を集めています。
デザイナーが洋服の世界観を作るように、香水もまた”香りのファッション”として創造されます。
調香師はファッションにおけるパタンナーのような存在で、香りの構成(トップ・ミドル・ラスト)を精密に組み立てていきます。
一方、日本では長年「無臭文化」が根強く、調香師という職業も一般にはほとんど知られていません。そのため、香水の使用習慣が欧米に比べて広まりにくいという現状があります。

香水はブランドの世界観を届ける最小単位
ファッションブランドにとって、香水は「香りで世界観を届ける」ための重要なプロダクトです。
たとえば、シャネルNo.5は香水でありながらシャネルの価値観そのものを象徴するアイコン的存在です。こうした香水は単に香りを楽しむだけでなく、ブランドの哲学や美意識を身につける手段として、多くのファンを魅了しています。
消費者にとっても「ブランドの世界観を自分の生活に取り入れる」手軽な方法として、香水は高い価値を持ちます。

日本のパフュームに今、注目してほしい理由
ハイブランドの香水がファッションの一部として定着している今、私たちISILKでは、日本の自然や文化から生まれた香りの魅力を改めて発信したいと考えています。
たとえば、秩父産クロモジを使用した香りは、森林浴のような穏やかで透明感ある香りを感じられ、欧米のパワフルな香りとは異なる、繊細で心地よい世界観を持っています。
消費者が「どんな気分になりたいか」「どんな印象を与えたいか」に合わせて香りを選ぶ時代。そこに、和精油をベースにした日本発のフレグランスが加わることで、もっと多様な選択肢が生まれると考えています。
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▶ 【香り診断】気分やシーンに合わせて香りを選びたい方はこちら → 【香りの選び方ガイド】
まとめ
香水はファッションブランドにとって単なる副産物ではなく、世界観を広げ、ブランド体験を提供するための「感性のプロダクト」です。
欧米に根付く香りの文化と、ハイブランドの巧みなマーケティングによって、香水は確かな収益源となり続けています。
しかし今、日本でも自然素材を活かした香水ブランドが静かに増えてきています。私たちISILKもその一端として、日本人の感性に響く香りを届けていきたいと願っています。
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