秩父で織物体験:日本の伝統技術に触れる旅

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秩父は、埼玉県に位置し、日本の伝統的な織物産業で有名な地域でした。12月の2日3日に行われる日本三大曳祭りは有名で、シルク産業と織物産業が発展したことによりできたお祭りになります。

 

 

この記事では、「秩父 織物 体験」というテーマで、秩父の織物の歴史から具体的な体験スポットまでを詳しくご紹介します。

 

 

秩父で織物の体験できる寺内織物をご紹介:伝統と現代が交差するクリエイティブな旅

 

秩父の織物の歴史

秩父の織物の歴史は古く、江戸時代にまで遡ります。当時、秩父は養蚕業が非常に盛んであり、上質な絹糸が生産されていました。この絹糸を使った織物は「秩父銘仙(ちちぶめいせん)」として知られ、全国にその名を広めました。

 

足利や伊勢崎銘仙は鮮やかでしたが、秩父銘仙はどちらかというと地味で庶民に愛された着物というイメージがその時代は強かったようです。

 

 

 

江戸時代からの養蚕業

秩父の養蚕業は江戸時代に始まり、質の高い絹糸の生産地として知られていました。

 

江戸時代末期には、秩父の養蚕業はピークを迎え、多くの家庭で蚕を飼い、糸を紡いでいました。この絹糸を用いて織られた織物は、当時の人々にとって貴重なものとされました。

 

明治時代の発展

明治時代に入ると、秩父の織物業はさらに発展しました。機械織りの導入により、生産性が飛躍的に向上し、秩父銘仙は全国的に広がりました。

 

この時期に秩父銘仙の特徴的な技法である「ほぐし捺染」も開発されました。

 

ほぐし捺染は、糸に模様を染めてから織り上げる技法で、複雑な柄を織り出すことが可能となります。

 

昭和時代の変遷

昭和時代になると、秩父の織物産業はさらなる発展を遂げました。

 

特に1930年に設立された埼玉県繊維工業試験場は、技術の研究と改良に大きく貢献しました。

 

ここでは、繭から糸を紡ぎ、捺染を施し、機織り機で織り上げるまでの工程が行われ、秩父銘仙の品質向上が図られました。

 

ここが現在ある秩父銘仙館になります。

 

現代の秩父銘仙

今日では、秩父銘仙は伝統工芸品として高く評価されています。現代の職人たちは、昔ながらの技法を守りつつ、新しいデザインや用途を取り入れています。

 

現在は秩父では4社ほどになってしまった銘仙の機屋ですが、伝統的な絹織物の技術を次世代に伝えるために積極的に新作を作ったり、その技術を披露したり、ワークショップを開催したり、観光客にもその魅力を伝えています。

 

このように、秩父の織物の歴史は、養蚕から始まり、時代とともに技術が進化し、現在でもその伝統が受け継がれています。

 

background of silk fabric with oriental ornaments. uzbek silk with ornament

 

秩父銘仙の特徴

秩父銘仙は、その独特の色合いや模様が特徴です。大胆なデザインや鮮やかな色使いが魅力で、現代のファッションにも取り入れられることが多いです。

 

また、手触りが滑らかでありながら、しっかりとした耐久性を持つことから、実用的な面でも高く評価されています。特に秩父銘仙といえば矢羽のデザインが人気です。

 

特徴と技法

ほぐし捺染

秩父銘仙の代表的な技法に「ほぐし捺染」があります。この技法は、糸に模様を染めてから織ることで、織り上がった布に独特の模様を浮かび上がらせます。

 

具体的には、経糸(たていと)に模様を染め、緯糸(よこいと)を通して織り上げることで、複雑で美しい模様を作り出します。この技法により、秩父銘仙は色鮮やかでありながら柔らかい風合いを持つ布地となります。

 

 

 平織り

秩父銘仙は主に「平織り」と呼ばれる技法で織られます。この技法は、経糸と緯糸を交互に織るシンプルな織り方で、軽くて丈夫な布地を生み出します。この技術は、シンプルでありながら多様な模様を織り出すことができるため、非常に実用的です。

 

そのため戦後は織物以外にも布団や座布団などの日用雑貨に使われる生地を主に生産をしていたようです。

 

 

織物体験の魅力

秩父での織物体験は、日本の伝統技術に直接触れる貴重な機会です。体験を通じて、織物の工程や技術の奥深さを実感できます。また、職人の技を間近で見ることで、その精巧さと美しさに驚かされることでしょう。

 

体験内容

一般的な織物体験では、まず織機の使い方を学びます。その後、自分だけのオリジナルデザインの布を織ることができます。色や柄を選ぶ楽しさ、そして実際に織り上げる達成感は格別です。

 

 

 

おすすめの織物体験スポット

ちちぶ銘仙館

ちちぶ銘仙館は秩父織物、銘仙等に関する民俗学上貴重な資料を収集、保管及び展示し、これらの資料を永く後世に伝え、あわせて、伝統的技術を継承することを目的として設置された施設です。

 

本館やノコギリ屋根の工場棟などは、昭和5年建造の旧埼玉県秩父工業試験場を利用し、平成13年10月、国の登録有形文化財に登録されている昭和初期の特徴的な面影が漂う建物です。

 

 

場所:〒368-0032 埼玉県秩父市熊木町28−1

電話番号:0494-21-2112

時間:午前9時~午後4時

休館日:無休(但し年末年始は休業いたします)

駐車場:

入館料 料金 大人 210円 中学生 100円 小学生 100円

※25名様以上の団体様で入館料が大人150円、
小中学生50円になります。

アクセス:電車の場合】

•西武秩父線 西武秩父駅から徒歩5分   •秩父鉄道 御花畑駅から徒歩10分

【お車でお越しの場合】

  • 熊谷・花園方面より 花園I.Cを降りて秩父、長瀞方面へ。国道140号で秩父市内へ入り道の駅ちちぶを左手に通り過ぎ、秩父地方庁舎入り口の交差点手前を左折。
  • 飯能・所沢方面より 飯能方面より国道299号で秩父市内へ。上野町の交差点を左折し、秩父地方庁舎入り口の交差点を左折。
  • 山梨・雁坂トンネル方面より 国道140号雁坂トンネルを抜けて秩父市街へ。秩父地方庁舎入り口の交差点を先を右折。

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逸見織物

<秩父ふるさと館>

場所:〒368-0044埼玉県秩父市本町3-1 秩父ふるさと館1F

時間:10:00~17:00

休館日:水・木曜日

電話番号:080-2673-3846

駐車場:

アクセス:【電車の場合】

•西武鉄道 西武秩父駅から徒歩15分 •秩父鉄道 御花畑駅から徒歩10分 ・秩父駅から徒歩5分

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逸見織物工場

住所:〒368-0001 埼玉県秩父市黒谷1463

電話番号:0494-22-0708

アクセス:熊谷・花園方面より 花園I.Cを降りて秩父、長瀞方面へ。国道140号で秩父市内へ入り美の山入口の奥の信号(ラーメン屋)を左折し3分左手

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新啓織物

基本的には予約制(事前に連絡)

住所:〒368-0022埼玉県秩父市中宮地町37-9

電話番号:0494-22-3140

メール:arakei_orimono@ybb.ne.jp

アクセス: 西武池袋線 西武秩父駅 駅より車で約7~8分 ・秩父鉄道  秩父駅(徒歩 約20分)

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横山織塾工房株式会社

織物体験等、秩父銘仙を受け継ぐ

住所:〒369-1301埼玉県秩父郡長瀞町矢那瀬1313‐1

電話番号:0494(66)0050

営業時間:10:00~18:00

定休日:木曜日・不定休

駐車場:あり

メール:chichibuorijyuku.yokoyama@gmail.com

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寺内織物

秩父で唯一自動織機がある場所

住所:〒368-0045埼玉県秩父市道生町6-4

電話番号:0494-22-0605

営業時間:10:00~15:00

定休日:不定休

駐車場:あり

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Magnetic Poleマグネティックポール

秩父で唯一、秩父産の繭を使って座繰りをしたものを織って太織の生地を作っている場所

住所:〒369-1872埼玉県秩父市上影森71-9

電話番号:0494-26-5770

営業時間:10:00~17:00

定休日:不定休

駐車場:あり

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まとめ

秩父での織物体験は、日本の伝統技術に触れる素晴らしい機会です。

 

秩父の豊かな歴史と文化を感じながら、自分だけのオリジナル作品を作る体験は、忘れられない思い出となるでしょう。ぜひ、次の休日に秩父を訪れ、織物体験にチャレンジしてみてください。

 

 

この記事を書いた人

堀口 智彦

埼玉県秩父市出身。大学在学中独学で洋服デザインを学ぶ。2007年に渡英しLCF卒業後帰国し自身のメンズブランドを設立。2015年にブランドを休止し、企業にてチーフデザイナーとして3年間従事。その後シルクと黒文字に出会い、現在は株式会社ISILKの代表取締役。

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